書きましたとおり
女流能楽師はいらっしゃいます。
でも、環境は厳しいです。
流儀によっては、
男性の中に入って
地謡を務めている方もありますが
実際は職業としては
なかなか成り立たず
ゴルフで言えば
レッスンプロのような方が
多いのではないでしょうか。
観世流の梅若会の皆さんは
女流の能楽にも力を入れていて
独自に女地謡女シテ方で
能楽を演じる試みをしているようですが
金剛流でも、女流が名古屋支部に集まり
女流の能楽で頑張っています。
名古屋では藤田流笛方鹿取希世先生もいらっしゃいますし、女流パワーが強いです(*^_^*)
何故、女流が認められにくいのか。
荘厳な能楽の世界観が壊されると考えるのか
全否定の方もあります。
謡のトーンが違うというのもあります。
西洋音楽では、絶対音ですが
謡は相対音で、非常に自由度が高いです。
なので、女流でもルールを守っているのですが
能の演目の雰囲気が明るく柔らかくなり
本来の演目と雰囲気が変わります。
私は、個人的には、そこに可能性を感じます。
だからこその面白さがあるのではないかと。
私の社中では、師匠が能面打ちでもあるので
本来の能面から女性用の能面を打って
舞台に使っています。
師匠の美意識からすると
男性と同じサイズを使うのは許せないようで。
そういう点からも、逆に女流の能楽に
反発があるのかもしれません。