クムスジョ
金の匙
親ガチャという言葉で、縮まるどころかどんどん
広がっている格差社会を憂う若者たちの心情を反映するようなドラマ。
先が読めそうでいながら、サスペンスが注入され、
予想外の方向へ流れて、観ている方が漂流させられるのですごく面白い。
【韓国放送】：2022.9/23～11/12 全16話 MBC
【製作】 mSAMHWA NETWORK スタジオN
【脚本】：ユン・ウンギョン・キム・ウニ（「冬のソナタ」）
【演出】：ソン・ヒョヌク（「恋慕」）
【視聴】：Disney+
【お薦め度】：★★★★
【観たきっかけ】：評判が良さげ
【ネタバレ特になし感想】：
怪しげなおばあさんと道端で出会い,荒唐無稽な状況に展開していく
という設定は、トッケビやホテルデルーナを思わせる。
さすがのweb漫画原作です。
韓国では、親の社会階級で子の人生が決定し（日本も同じ）、
貧富の差に応じで、ダイヤモンドのさじ、金のさじ、銀のさじ、
銅のさじ、プラステックのさじ、土のさじ
と呼び名がつけられているそうです。
シビア～
お金がないだけで、本人の責任ではないのに
あんなにも愚弄されなければいけないのかと
よくある、惨いいじめのシーンが散見
金がないのは罪なのか？
金持ちってだけでそんなにえらいんかい。
土のさじの高校生イ・スンチョンは、老婆から金のさじを３万ウォンで買い、
財閥家のファン・テヨンと入れ替わる。
スンチョン役のユク・ソンジェ君はBTOBのメンバー。
出演作に「トッケビ」「相続者たち」など。
財閥の坊ちゃまファン・テヨン役のイ・ジョンウォン君
金持ち父さんを異様に恐れ、何故かいつもびびっている。
貧乏父さんに代わってからは、生き生き伸び伸びして
なんかよかったじゃーんと思える。
運命的な恋人
ナ・ジュヒ役はチョン。チェヨンssi。
ガールズグループDIA（既に解散）のメンバー
この薄い顔好き。
欲望の化身オ・ヨジン
演ずるのは、ヨヌssi ガールズグループ モモランドの元メンバー。
初めて見る方たちが多いので新鮮だった。
ファン・テヨンが、初めてスンチョンの家庭の味や温かさに包まれて
笑顔で過ごせる場面の素敵なこと。何倍も魅力的にみえるし、
堂々としていて借金取りに「うるさいから帰ってもらって」と
言えてしまう上から目線が笑える。
スンチョンから、望むなら元の家に戻ろうか？と言われて
迷うことなく断言した言葉に泣けた
最初は情けないお坊ちゃまだったけど、
この子の心根の優しさには救われるし、このドラマのカギだった。
ジュンテ役のチャン・ユルssi
「マイディアミスター」「よくおごってくれるきれいなお姉さん」「無法弁護士」
いっぱい出てるけど、どれも何の役か思い出せない
この役はいったい何だった？
復讐の道具にされた感じ？
最初の事件はおざなりでいいのか？原因とか知りたかった。
強力な助っ人秘書のヒョン
チャ・ムンギ役のソン・ウヒョンssiもイケメン追加メンバー。
この人一押し。
ナ・イヌ君がなーぜ登場
カメオ出演か。ふふふ。
他人の人生と入れ替わったところで、幸せになれるとは限らないし、
何らかの犠牲を伴うものなのだという戒め。
与えられた場所と環境で最善を尽くして生きるしかないと言うメッセージも受け取れる。
しかし、このドラマでは、そんなあまっちろいこと言ってる場合じゃないくらい、貧しさに滅ぼされそうだったし、実際、スンチョンが入れ替わったことで、
様々なことが解消され、解結されていくいくさまは小気味よかった。
【テーマ】としては、公平・不公平の定義
金持ち父さんヒョンド会長の
「自分の才能と努力で世の中全てを手にできる、
それこそが公平というもの」だと主張する。
テヨンは
「家柄で全てが決まるのも、才能が全てと信じる社会も間違っている。親の金と才能のあるなしに限らず人間は皆同じだ」
という反論に全てが凝縮されている。
何の条件も関係なく、人間はみな公平であるべき
日本国憲法でも謳われていることだ。
日本国憲法 第3章第14条
すべて国民は、法の下に平等であって、
人権、信条、性別、社会的身分又は門地により、
政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
がその真意を理解でき、腹に落とし込める者はどれほどいるのだろう。
韓国ドラマの中では、大統領選挙の立候補者や財閥の息子を
徹底的に揶揄する傾向があるし、人を殺しても金持ちなら許される
設定がさんざん見られ、復讐心に燃えるストーリーが多い。
その辺りに不平等への怒りを発散させているのかなあ。
スンチョンとテヨン、二人のタッグが面白さの肝の痛快ドラマでした。
もし入れ替わっても、その人の本質は変わらないから
人間関係、特に夫婦や家族間では摩擦が生じて
耐えられないかも。
うまくたちまわれればいいけど、過去の記憶も曖昧だし
と、有り得ないことに疑問を感じてしまった。
追記：ここから混乱のネタバレバレ
テヨン母は、入れ替わった夫新ヒョンドを受け入れられず、
本当の夫の元へ行ったことを、継母ヨンシンは不倫とけなす。
ヨンシンは財産目当ての後妻なので、ヒョンドの本質が
替わっていてもよかったようだ。
映像をそのまま受け取ると混乱してしまう。
テヨンの実の父の元ヒョンドを新ヒョンドが殺すシーンを見て、ヨンシンは嘆き悲しむ様子があってたので、つい元ヒョンドを好きだった（そんな過去シーンもあったし）から、ジュンテは元ヒョンドの子かと錯覚した。
ジュンテの年齢を考えるとテヨンより上なので、ヨンシンは、若かりし頃、新ヒョンドと関わって、ジュンテができたのか。でも、それを隠してアメリカに送りあくまで弟だと偽ってきた。新ヒョンドは、自分のしたことだから、そのことを知っていた。
息子だから、会社を分けることもしてきた。
しかし、息子と認めようとしないヨンシンには、腹を立てていたので、
ジュンテに真実を暴露し追い詰めて自殺させてしまうという残酷な結果を招く。
だから、ジュンテは新ヒョンドの息子ということですね。
【韓ドラあるある】怪しげな老婆
お越しいただきありがとうございました。
※写真お借りしました
