ソルカンファ

雪降花

 

舞台は、元気で純粋、明るく爽やかな女学生たちの住む寄宿舎。

きゃぴきゃぴしたやりとり。そのちょっと古い時代背景。

ヒロインの顔や声や初々しい演技そのものが、まるで某国営放送の

朝ドラみたいびっくりマーク   

このレトロ感

 

平和なそこへ北の工作員が闖入し、銃撃戦も辞さない

逃走劇の舞台へと一転する。

緊迫感あふれる人質事件は、

息が詰まりそう。

すぐにでも解放されて欲しい望みは裏切られ、事態はどんどん

こじれていく。

交渉は泥沼化、いったいいつまで膠着状態が続くの?

と不安に駆られるが、そこにはおバカな人たちが頓珍漢な

ことをしてくれるので、

かーなり笑える。

終始、命の価値とは?

というテーマをずーんと

突き付けてくる。

がさわやかなスパイ イム・スホ(チョン・ヘイン)が

がっつり応えてくれる。

彼が主役だからこそ、

期待を裏切らない

骨太の極上ドラマ

仕上がっている。

 

 

【韓国放送】:JTBC 2021年12/18~2022年1/30  全16話1話90分

 

【脚本】:ユ・ヒョンミ(「SKYキャッスル」)

【演出】:チョ・ヒョンタク(「SKYキャッスル」「魔女宝鑑」「イニョプの道」)

 

【視聴】:Disney+

【お薦め度】:★★★★

 

【観たきっかけ】:チョン・ヘイン イニカ(だから)

 

【テーマ】:命の価値 命の優劣 あきらめない気持ち

 

【気になる俳優さん】

何と言ってもイム・スホ役のチョン・ヘインありきで見た

ドラマであり、

彼のこんな姿や

こんな姿をただひたすら

かっこええーと見入る。

顔は日焼けし、鍛え抜かれた

もりもりの肉体美が

黒いシャツから漏れ出る。そして脱ぎもあり

 

こんな風に銃を構える逞しい体は、ランボーみたい。

私、ランボー嫌いだけど。腕の筋肉がすごい~。

体ばっかり褒めてるけど、

繊細な演技が素晴らしいです。

 

常に低く落としてしゃべる声が、ジュノに似てると

ずっと思いました。

ジュノもこんな役やったら、

かっこいいだろうな。

でも、平和が大事。

命を粗末にする役はやめてびっくりマーク

 

ヒロイン ウン・ヨンロ役のジスという朝ドラ女優(違う)は

なーんとk-pop界のかっこいいお色気グループ

BLACK PINK 

だった。

関係ないが、彼女は六本木のドン・キホーテが好きで

9月にも行って

待ち構えたファンに

囲まれたそうな。

 

                   KILL THIS LOVE 大好き

 

何故、韓国芸能人はドンキが好きなのか?

ジュノさんも8月に行ったし(中に入ったかは不明)、

ユノさんもドンキの歌が好きだし。

 

 

イ・ガンム役のチャン・スンジョssi

この人は「カネの花」でくずみたいな金持ちのぼんぼんを切なく演じてとても気になっていたし、「夜を歩く士」の王役も魅かれた。「知ってるワイフ」やらどんな役ももってこい系。

 

そして、この人どっかで見たよねびっくりマーク

「ただ愛する仲」の漫画家のアシスタントじゃね?

チュ同志役のキム・ミンギュssiだって。

 

もう一人。どっかで見たびっくりマーク

でもどこか思い出せなかった。

SKYキャッスルの長女さんと知って、ああああ~根性の悪い自己中な子ね。そのまま。

「君の声が聞こえる」にも出てたって。いじめる役か?

ケ・ブノク役のキム・ヘユンssi。この人の演技はすごかった。

重要なポジションでした。

 

もう一人重要ポジションと言えばこの方

ユ・インナssiの黒髪が昆布のように真っ黒くつやっつやで美しいことを知った。

「シークレットガーデン」など脇役から這い上がり、「イニョン王妃の男」「トッケビ」と

今や主役級の大女優。

カン博士という女医役がかっこいいし。愛人という色っぽい役もぴったし。

 

 

ここからは、ネタバレます!

 

【ネタバレリーナ感想】:

珍しく、デモを批判するセリフが出た来たな~と思ったら、韓国では、民主化運動を侮辱したと放送中止の危機にさらされたそうだ。しかも放送前から。気が早いな。

すぐさま釈明の文章が出て、いいドラマがつぶれなくて良かった。

 

時は、1987年の大統領選挙を控え、韓国の軍事政権と国家安全企画部の権力維持のために、北と野合して陰謀を企てたことから

始まる。

 

スホを追っていた安全企画部のブラックタイガー、イ・ガンムは、スホが

女子寮に逃げ込んだことを知って狙っている。

オープンハウスのイベントを利用し寮から抜けだすときに、

ダンスをする羽目になった、

スホとヨンロ。

この妄想ダンス曲は、レコード店でヨンロが歌ってた

「One Way Tiket」

これ日本では「恋の片道切符」という題で1960年頃ニール・セダカで発売された曲。

私が生まれたころに発売してて、何故か中学校の頃よくラジオから流れていたのは不思議だけど、好きだったから懐かしいビックリマーク

1987年に韓国でもカバーされてたのね?

片道切符という歌が、二人の運命を示唆しているようで

切ない。

このシーンが、一番の清涼剤ですね。

 

せっかく抜け出たのにまた女子寮に立てこもることになってしまった北の工作員たち3人。

完全に包囲されているし爆弾は仕掛けられるしで、袋のネズミ。

 

 

チュ同志は自爆するしかないと短絡的な考えだが、

実際その方が楽なんだよ。考えなくて済むから。

でもスホは諦めない。敢えて困難ではあるが、生きることを選択する。

「生きるんだ。死んでから英雄扱いされて何になる?」と説得する。

次から次へと危機がつのるが、

なんとしても

生きて帰る

という信念が揺るぎない

スホが力強い。

そして、何とか話し合いによって信頼関係を築き、人質となった者全員の命を守ろうとする。裏切られても裏切られても、

先への展望を見失わず粘り強く交渉する姿勢

は、本当に今の政治家に求められる能力だ

実際このやり取りが1話90分で16話続くのは重い。

でも展開が全く読めず、あちこちころぶのでやめられない止まらないかっぱえびせんです。

そしてこのドラマの肝は、

サプライズ人事

にあると見たね。

これ最後まで続くし。

  

けなげに協力し合う学生たちと

対照的な

幹部の妻たちの争いの

品のないこと。

奥様が夫を大統領にしてくれと占い師にお願いすると、

その尊師様は

「政治は厳かなものだ。

友だちや身内だからと、

当別扱いはできぬ!」

と毅然とした答え。

岸田さん!聞いてる⁉️

お友だち内閣や息子に地位を与えるのホントやめて欲しいわ。

 

命を軽視する権力者たちのドタバタ劇は笑いしかない。

 

たくさんの伏線がばらまかれており、最後にそれがしっかりと回収されるので納得できる。

最終回までは、寮の人質組は誰一人死ななかったことがとても尊い。

しかし北ものの結末は見えている。

あっけなく殺されてしまうと、かーなりがっくり来る。あんなに粘ったのに・・・

やはり生きてこそなんぼの値打ち。死んでほしくない誰も。

貧しさと不遇な家族のせいでひねくれものになったブノクが、

最後に活躍するのが、一番の救いだった。

工作員でただ一人生き残ったモランボンにも、スホの願いを実現し

残された家族たちを救って欲しい。

 

北の命令に忠実に従うことしか頭にない洗脳されたものたちに、客観的な考え方を示し、何故生きて帰ることが大切なのかを理解させ、気持ちを溶かしていったスホの人間力が素晴らしかった。母から殺害命令を受け絶望的な傷を負った、その苦痛の演技も、最後までヨンロを守ろうとする愛情表現も、ヘイン君の演技力は素晴らしかった。

見た後はズシーンときますね。

 

このドラマの悪役は、北と南の国のトップたち。

北は独裁政治、

南は民主主義とは程遠い

軍事政権。

このものたちは、国民の命より、自分たちの権力維持が重要。

なので作戦は武力行使しかない。

スホたちの粘った作戦と

瞬時の機転により

尊い北の戦士の命こそ失なったが、

罪の無い学生たちは助かり、ことの真実が明らかにされた。

南の腐敗政権は終わりを告げ、罰を受けることになったことで溜飲が下る。

当然、野党が勝利した。

 

1980年に

民主化を求める学生や市民のデモ隊を軍が武力で鎮圧した「光州事件(5・18民主化運動)」

映画「タクシー運転手」

で見ました。

「1987 ある戦いの真実」

では、1月、ひとりのソウル大学生が拷問によって亡くなったことを追及することで、

民主化が実現したとあります。

丁度1987年の春の設定の

このドラマ。

大統領直接選挙制がしかれた背景を踏まえて作られた感じ

ですね。

 

【韓ドラあるある】

崖から落ちそうになる。

大きなダムに突き落とされそうになる。

吹雪で行き倒れそうになる。

 

 

北の工作員は皆芸達者。

モランボンというネーム、

食品会社か?

もしかスポンサーか?

 

おこしいただきありがとうございました。

 

 

※写真などをお借りしました