プルグン タンシン 

原題:赤い丹心(まごころ)

 

 

1506年、反正功臣たちが稀代の暴君、第10代王の燕山君(ヨンサングン)

を廃位する。このあたりは、「王と私」でとても興味深くみた。

その後がフィクションらしく、禅宗を第11代王に即位させ、

その嫡男イ・テが第12代王に即位するという時代背景。

 

【韓国放送】:KBS2;2022年5/2~6/21 全16話

 

【脚本】:パク・ピルジュ

【演出】:ユ・ヨンウン

【視聴】:Disney+

 

【お薦め度】:★★★★

 

【観たきっかけ】:

友だちに勧められて

 

勧められなければ観なかった

であろう作品。

最初こそ眠かったけれど、

回を重ねる程に、

やめられない止まらない

私の好きなかっぱえびせん

ドラマでした。

 

ねじれ国会ならぬねじれ王宮

ねじれた関係がさらにねじれを呼び、ねじれまくり。

 

昨日の敵は今日の友。憎き敵が、味方になり、利用され、利用し、

の展開が早い。

 

笑いの要素は皆無だが、常に格式高い王宮の映像や

重々しいやり取りは、うっとり見ていられる。

BGMもクラッシックと、軽快なロック調と織り混ぜて盛り上がる。

 

撮影場所は「赤い袖先」と同じなので、懐かしい場所が満載。

いろいろ思い出されますよ。

 

キャストは

王イ・テを演ずるイ・ジュンssi

初めて見ました。k-popのMBLAQだったんだ。

と知って、思い出した。

イメージがおばけのQ太郎。

(どーゆー意味?なんとなくね)

お肌も荒いし、

あまり魅かれませんでした。

この王がとにかく不甲斐ないのだ。

見ていて大丈夫か?ってくらい不甲斐ない。

民のことなんかみじんも

考えてないんだ。

それで王っていえるのか?

イ・サンを見た後なので

ギャップが大きい。

この子は、親を悲惨な形で失い、復讐を胸に秘めて生きてきたので、

頭の中はどうやって王権を強めるかしかないのだ。

 

相手役は、ユ・ジョンを演ずる

カン・ハンナssi

このお美しい方は、冷たさを感じさせるのか、

「麗」「ただ愛する仲」「知ってるワイフ」などでは、

恋が成就しない反ヒロイン役が多かったけど、今回は遂に主役。

とってもおきれいなんだけど、お肌がちょっときめが荒いかなー。

強くて思慮深く、すごくかっこいい役回り。

常に堂々としていて先を読み

素敵でした。

 

 

脇を固める御仁が良かったです。

 

チェ・ガヨン大妃役の

パク・ジヨンssi。

この方は美しいばかりでなく、話し方が上品でゆっくりと

静かなので、

このドラマを心地よく

観られました。

 

天下のチャンヒョクssiが最大の実権を握っている

左議政パク・ゲウォン。

冒頭、権力を固めるために、

ありもしない濡れ衣を着せて士林派を追い込んでしまう。

彼の血塗られた過去。

 

天下の極悪スター ホ・ソンテssiが、今回は悪役ではない

思慮のある重厚な兵曹判書チョ・ウォンピョ。

 

左議政と兵糧判書

権力争いの最大の目的は私利私欲の権勢強化で、

そのための謀略は日常的な

今までの時代劇とは全く違うびっくりマーク

 

この二人は権謀術数によって、ここまでの地位に就いたと思われるが

あさましい権力闘争よりも、いかに国を安定させるかに

重きを置いて

自分の職務に忠実に

仕事をしているので、

ライバルのようで意外と協力的であり、けっこう安定感があった。

この二人がお互いに敬意を払っていることがにじみ出ていて、

このドラマの質を高めているように思う。

 

そして、秘めた恋人同士が、最後まで想いやりを捨てなかった

ところが、やけに清々しかった。

 

 

【テーマ】:王の婚姻は臣下の力関係に大きな影響を及ぼすが、

それぞれの一族の

危機にも繋がる。

危うい心理戦が見もの。

権力を得たものは誰でも

暴君となり得るので、

牽制する役が必要。

そして復讐の捉え方。

 

【ちょっとだけ

ネタバレリーナ感想】:

 

ユ・ジョンの言葉がりっぱだった。

一番の被害者である彼女が最も憎むべきお人が

ばれた時にそうとう傷つき悩むと思ったのだが、

ことの本質が分かっているので、うまくおさめてしまう。

本当の敵に矛先が向かうのかと思ったら、

それは自分に刃を向けることにもなるので、

復讐はやめたと・・・

この技量こそ、王に持ってほしかった。

 

 

政変が起きるとえっ?なシーンがいっぱい。

国の混乱が誰も止められない状態になる。

さながら、某大国の独裁者のごとく。

そのからくりを知るほどに、頭の中をぐっちゃぐちゃに

かき混ぜられた感じ。

 

やられる前につぶすのが政という左議政の言葉。

勢力が強くなりそうなものを排除していく姿勢は

「鎌倉殿の13人」でもあふれている。

この時代の特徴なのか。

 

そんな考え方とは一線を画すのが

一歩先を行く革新的なユ・ジョンである。

彼女の力を発揮するところが

見ものなんだが。

ラストはそれでいいの?

って、それまでのペースが緩む気がする。

今後にご期待って感じの終わり。

 

赤い丹心って誰の真心?

 

シウォルやトングムの血を表しているのかとも思ったけど。

 

英語名がBloody Heartなので、

血塗られた心と訳せば、

王や左議政、大妃たちのことのようだ。

 

もろのネタバレになります。

冒頭のイ・テの母親である王妃は、自分の誇りのために

廃位されることを拒み

服毒自殺をすることで、世子イ・テの王への確約をつかむ。

廃妃されてひっそりと生きていけば、毒殺の嫌疑で

ユ・ジョンの家族ユ・ハクスたちが皆殺しになる必要は

なかったのでは?と思った。

しかしもともとないことをでっちあげて陥れているから

同じようなことが

起きるだけなのかな?

とにかく、王への道をあきらめても誰もが生きることを選んで欲しいと思います。

イ・テの恨みは、大きすぎて王としての器を磨くことができない。

 

 

【韓ドラあるある】:本当に脈を診るだけでご懐妊と判断できるものなのか?

いつも突っ込みたくなるんですけど。

現代において見たことないし。

 

 

※お越しいただきありがとうございました。

 

 

※写真お借りしました