アムド モルンダ

誰も 知らない

 

【韓国放送】:SBS 全16話 3/2~4/21

 

【脚本】:キム・ウニャン

 

【演出】:イ・ジョンフム  「操作」

 

【視聴】:KNTV

 

【お薦め度】:★★★★★

 

青少年のお話

ジョンソクの「揺れなら咲く花」を彷彿させる良質な味わい。

そこへ、韓ドラお得意の連続殺事件ありーの、

怪しい宗教団体ありーの、

腹違い兄弟ありーので、盛沢山がリンクして、

完璧なシナリオに見ごたえたっぷりとなっております。

超お薦め。

ホントに素晴らしく、感動しました。

 

【観たきっかけ】:2019年SBS演技大賞で、プレゼンターとして

出てきた、キム・ソヒョンとリュ・ドックァンのお二人。

柄にもなく、「可愛がってください」と言って自分で吹いていた

ソヒョンssiが気になって見てみたかった。

 

【気になる俳優さん】

 

言わずもがなスカイ・キャッスルの主役、キム・ジュヨン先生

氷のように冷たい悪役から、

クールだけど絶対的に温かく情が深い人格者に変身

雰囲気や声質が天海祐希さんに似ている気がしてたら、

目をつぶった顔がそっくり!と思いました。

この役かっこよすぎて惚れちゃいます。

すごく細いシャープな身体に黒の革ジャン似合いすぎ。

孤独を愛するけど、感情は豊か。

 

有名な方のようですが、初めてです。

「グッドドクター」の幻の兄役。覚えてないですねー。

繊細な役が似合いそう。

 

 

 

いつも、主役の傍らで補佐する脇役が板についてきた

イ・ジェホンssi好きです。

「アルハンブラ宮殿の思い出」が、素敵でした。

映画「朴烈」や「マルモイ」でも、いい味でした。

 

<役名>ユン・ジャヨン

カン・イェウォン  

胸部外科、オクニョなどに出てたんですね。

 

 

 

 

初めて見て、そんなにイケてない

と思っていましたが、内面の良さがぐっと引き立てて

めちゃカッコ良い子に見えてきました。

 

チ・ドンミョン役のユン・チャンヨン

子役で引っ張りだこ 「医師ヨハン」「30だけど17です」「「王は愛する」

「浪漫ドクトターキム・サブ」「六龍が飛ぶ」「ファジョン」 

 主役の子ども時代が多い

 

 

ハン・ミンソン役のユン・ジェヨン

 

 

 

 

一癖ある母親役が多い。「ピノキオ」ではっきりと覚えたけど、

「サイコだけど大丈夫」や「私の国」etc多数。

 

ペク・サンホ役のパク・フン

「ウォッチャー」のテジュンの怪しい元夫、「操作」「六龍が飛ぶ」「太陽の末裔」

などでは、何の役か浮かばないが、

「アルハンブラ宮殿の思い出」では恐怖の象徴のように

曲と共に登場し、印象づけましたね。

 

【テーマ】:”良い大人に出会ったら私の人生は変わったか”

虐待がテーマの中心。

 

【ここからはネタバレリーナ感想】:

 

ホテルの屋上から転落したウノを、必死で助けようとするペク・サンホ。

人命を救ったウノを表彰するぺく・サンホ。

権力のあるものがもつカリスマ的余裕の表情が、胡散臭い。

こやつは何者?と、穿ちたくなる。

 

 

このシーンは、ほんとにいい人だったりして?と思わせる。

そしてこの人の周りは、怪しい大人たちの烏合の衆。

 

それに反して、悩み苦しむ少年たちは、

少年課ファン・インボム係長、担任のイ・ソヌ先生、

そしてチャ・ヨンジンチーム長らが温かく受容する。

信じてくれる大人たちによって、息を吹き返し、お互いを思いやり、

正しい道へとアプローチされる。

とてもほろりとさせられました。

 

「子どもなんだから、いいんだよ。

そんなことで苦しまなくても」

ということばの温かいこと。

大人に責任があるんだよ。

成長過程にある子どもは、軌道修正しながら、

許されて生きていくべきだよね。

このこたちの未来は明るい。

 

遂に本性を現すペク・サンホ。

地獄絵をみるような残虐なシーンは、周りで笑って見ている仲間たちが気持ち悪い。

 

どんな育ちをしたら、あんな怪物になるのか?

と事件の本質に迫っていく。

 

 

おどろおどろしい大人たち VS すがすがしい青少年たちの生きる力

 

最終話、ヨンジンのえらいところは、

銃で防御しないで、あくまで話し合いを

持とうとするところ。ここ大事!

 

ヨンジンとサンホの決定的な違いは、

サンホ怪物 すぐ殺す  VS  ヨンジンチーム長 どんな極悪人も殺さない

 

そのとき思った。このドラマ。誰もしらない

              誰もしなない。

に引っかけたみたいだ。

 

屋上でのこの二人のやり取りは、圧巻。

何としても真相を聞き出したいヨンジンの熱意。

そして、この時だけは、すぐ殺すを実行しないで、

自分の胸の内を暴露するサンホ。

彼は本当は、せっかんされたりせずに、

こうして話を聞いて欲しかったに違いない。

そして恵まれない生い立ちのウノが、

 

どうしてまっすぐに生きていけるのか?

 

不思議だったに違いない。その答えは

刑務所の懲罰房の中で、扉の

 

向こうから迎えに来てくれた人が、ヨンジンだったら、

自分はこうならなかった

と想像するサンホ。

確かに悪いのはあの時の大人たち。

 

ちょうど、最終話を見た日に、休暇を取り、

映画「すばらしき世界」

監督:西川美和  主演:役所広司  を観てきました。

 

全く通じるところがありました。

幼少期の虐待を受けた子どもは、脳が委縮し、感情の抑制が効かなくなる。

少年期から暴れまくり、少年院を経て、

立ち直り社会復帰するもまた刑務所に戻ってしまう主人公三上。

 

母親を追い求め、幻想を抱く三上は、優しくて

ものすごく愛らしい人間味あふれる人物であるけれど、

怒りの感情がわくとコントロールが効かなくなるため、

相手が死んでしまうまで殴り続けてしまう。

三上にも、理解し支えてくれる人たちが現れることによって、

彼は遂にそれを乗り越えるところまでいく。

 

 

 

サンホを怪物にさせたのは、せっかんしながら育てた大人。

子どもを育てていくには、どういう対応が望ましいか

を教えてくれるドラマですね。

 

さて、すぐ人を殺めるサンホが何故に、ヨンジンを生かしたか?

彼は、高校生のヨンジンのまぶしい笑顔に惚れていて、

なんとしても彼女の忘れられない存在になりたかった。

その為には、彼女の一番大切な友人を殺すことだと判断したのでは?

現在に至っても、圧倒的に彼女の存在が自分にとって不利なのに

殺すという選択肢が出てこないのは?

彼女の正義感みたいなものに挑戦していたのかな?

俺の強さ、邪悪さと、美しい正義感。

さあ、どっちが勝つかと。

しかし、悪を恐れず、人や命を尊重する気高い心の前に

みごとに屈伏した。

屋上から落ちないように、ヨンジンの足をつかんでいるウノを見て、

負けた!と思ったに違いない。

 

 

 

【疑問点】金持ちのサンホが、食事にいつもカップ麺を食べていたのは?

DNAを取られないため? 

幼少期にそればかり食べていて、

味覚が形成されなかったのか?

 

あんなに必死で探していた青い聖書の謎は、

つまりギホが解いて、証拠となるビデオを見つけ、

ヨンジンに送ってきたってことなのかな。そこはさらりでした。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

※写真などをお借りしました