赤い  月         青い   太陽

パルグンタル       プルン  ヘ

 

 

 

キム・ソナ演ずるチャ・ウギョンは、児童カウンセラーで、

被虐待児に向き合い誠実に仕事をしている。

自分は幸せな家庭を築いているが、ある事件をきっかけに、

自分の過去にも疑惑を抱くようになる。

連続して起きる殺人事件と共に、

ストーリーの核心に近づいていく、

本格的サスペンススリラーで、

最後の最後まで

よめないのが面白い。

 

【視聴】 LaLaTV   

韓国では2018年MBCで放送

 

【脚本】 ド・ヒョンジョン

 

【演出】 チェ・ジョンギュ   カン・ヒジュ

 

【お薦め度】 ★★★★★

 

【テーマ】 児童虐待

 

【観たきっかけ】 1話を観て、暗ーい雰囲気にその時は観る気がしなくて後回しにしていました。HDDもいっぱいなので、そろそろ見ないとと始めたら、やめられない止まらないカルビーのかっぱえびせん状態でした。上質な良いドラマです。

 

【気になる俳優さん】 

 

 

刑事カン・ジホン役のイ・イギョンは、大好きなジョンソク君の「学校2013」(日本題:揺れながら咲く花)で、不良3人組の一人だったね。今回は熱血で真っ直ぐな刑事役。

あのドラマからはその後、大物に育った役者がいっぱいで、最近のドラマで見つけるたびに嬉しくなる。

 

カン・ジホンと組む情報科警察ホ・チャンウク役のヨン・ジェヒョン、顔と声がEXOのチャニョル君に似てると思いました。

 

 

【ネタバレ―ナ感想】

  終始一貫笑わないチャ・ウギョン(キム・ソナ)に、

ドラマの重さを感じますが、

緻密なストーリー展開は面白くて惹きつけられます。

 

ウギョンの秘密はよんどころないんだろうと想像するのですが、

まさかのまさかずさん。

 

虐待をする親を次々と殺していく話は、

日本のドラマでもあった天童荒太著「家族狩り」を思わせます。

家族狩りも、どうしようもない親、

更生を期待できないものは殺せばいい

とばかりに次々と家族を破滅させてしまう話でした。

 

虐待をする親は殺してしまえばいい

と短絡的な思考を投げつけてくる。

本当にそうなのか?

無垢な子どもの人格を踏みにじる行為は

絶対にに許せるものではない。

だから、制裁を加えることに、溜飲が下る思いがあるのは確かです。

揺さぶられるのは、犯人を追う刑事だけではないはず。

 

ここで、制裁を下しているのは、

「赤い涙」であることが判明してくる。

 

ジホンの部下ナム・ギュリ演ずるチョン・スヨン刑事も

表情がなく絶えず暗いので

虐待に絡んでることを想像してしまう。

まさか赤い涙の一味か?

そういえば、最初の場面で現場にいたし。

 

VIXXのチャ・ハギョン演ずるイ・ウンホは

最初から怪しかったけど、性格からして

彼が殺人犯はありえないと打ち消す。

しかし・・・・と二転三転。

 

ウギョン自体も、激情的になりやすいことをいくつかの場面で

ほのめかしていて、容疑者の感がぬぐえない。

そして最終回では、とうとうウギョンまでもが・・・。

不穏な空気が漂い、ついに彼女も転落してしまうのかと

ハラハラさせられました。

 

ラストは圧巻でした。

感動しました。

虐待を身近で見聞きした者たちは皆、

「自分じゃなくて良かった」と思わず胸をなでおろしつつ、

そんな風に思ってしまった自分に罪悪感を課せてしまう。

 

その裏返しで子どもをそんな目に合わせた大人が許せないから、

この手で裁きをくだす」という判断につながりかねない。

 

しかしウギョンは、踏みとどまる。

この手で裁きは下せないと。

 

精神科医のユン・テギョンは

「死とは停止であり、終末だ。

生きることは可能性だ。

生きているものの罪は暮らしの中で消えていく。

虐待したものが生きていることを許せるのか?」と問う。

 

「生きていれば可能性がある。私はそれを選ぶ」とウギョン。

 

それが先の答えですね。

「チャレッソ、ウギョン(君は正しい)」ユン・テギョンもわかっていたのですね。

彼をここで止められて良かった。

 

ジホンのセリフがすごくいい。

 

「子どもは責任ばかりつきまとう。

だから苦手だった。

その責任の重大さ 受け止める喜び そしてその充実感。

だから子どもをもつのかと初めて思えた」 

 

私は40年間保育士をしてきたので、この言葉を噛み締めます。

本当に責任が重いんです。

それだけやりがいも喜びも大きいのです。

それだけ、高度な仕事なのです。

虐待を防いだり、見抜いたり、助けたりするためには、

保育士の待遇や給与を上げる必要があります。

 

虐待をしてしまう親を一概に責めることはできない。

ただ接し方が解らないだけという単純な理由だったり、

しつけと虐待の区別がつかなかったり、

人間としての未熟さが招いた悲劇でもあるし、

親自身の生育によるものでもある。

それに気づかせたり、更生の道を指し示すことは、

私たちの大きな課題ですね。

そのためにも、このようなドラマなどで啓蒙されることもありかと思います。

 

 

※画像お借りしました