お奨め度★★★★★

 

 

原作:イ・ジョンミョン

脚本:キム・ヨンヒョン(善徳女王)  パク・サンヨン

 

感想:カン・チュユン(チャン・ヒョク)は王に復讐することだけを支えに生きてきた。

聖君と万人に慕われる王だが、カン・チュユンにとっては、虫唾がはしるほど憎い親の仇である。きっと転覆するときがくるとそのシーンを心待ちにしていたが、まさに期待通りの感動的な場面となった。

【テーマ】

大儀

王はその大儀のためなら、息子を犠牲にできるのか?

苦しい選択を迫られるのだが、そのシーンも圧巻であった。そんな残酷な決断さえ、りっぱな聖人君主であると思わせるくだりが、素晴らしい。

 

【ネタバレ系】

印象的な場面は、カン・チュユン=トルボク(チャン・ヒョク)が、「この世に卑しい命などない!」と憤慨したところ。

命は皆平等に等しいのだ。しかしそうではないから心にずしーんんと響くのが哀しいかな。

 

そして感心したのが、カリオンさんの演技力ですよ。思わず私も騙されるところでした。

低頭平身な様で、「私の命は卑しいから」とまで言い、捕らえられてしまう場面は疑う余地がなかったね。肉をさばく技術も高く、教養も身に着け、医術もこなすばかりか学問も秀でているけど、一番高いのは演技力でしょと言いたい。あなた俳優になれるわよ!と教えてあげたい。カリオンさん。 秘密結社 密本の3代目首長チョン・ギジュンだったとは。

 

 

 

歴史的にもドラマとしても面白いこのあたりの時代。「六龍がとぶ」を先に観ていたので、ストーリーがつながってより面白かった。あのユン・ギュンサン演じるムヒュルがこんなにりりしくなって と感慨深かったり、イケメンのイ・バンジ(ピョン・ヨハン)がこのおっさん?ありえへんかったり。関係ないけど今調べて驚いたのは、渋くて暗くて女心をくすぐるあのイ・バンジ役のピョン・ヨハンって、ミセンのあの前半お調子者だった人!!信じられない。

 

ハン・ソッキュの演技が素晴らしく、草彅くんがあこがれてチョ・ナンカンになったのもうなずける。チャン・ヒョクさんはいつもハードボイルドな役どころで大変だな~。しかも殺陣が大変美しいです。努力の人なんでしょうね。