6ヶ月も日本を離れていると、今まで当たり前だったことが当たり前じゃなくなってくる。
帰国してからあっという間に二週間弱が経ち、もう大分昔の感覚に戻ったが、自分の飛行機が成田に到着してから数日間の間に感じた事は今でも鮮明に覚えている。
まず、飛行機成田到着時。
飛行機を降りる。建物内に入る連絡通路にて。
・モワっと湿度を感じる。イタリアにはなかったこの湿度。
昔、夏休みに沖縄に遊びにいった時を思い出す。その時、飛行機を降りた瞬間に感じたような「湿度」。
思わず、「あ、沖縄だ」と思う自分がいた。
成田空港の建物内に入る。
「あ、なつかしい!」
・鼻腔に感じる「鰹だし」の匂い。
これ、イタリアにはない匂い。
匂いの元は、一階部分にあるうどん屋だった。
空港の中。
・周りに日本人しかいないのが不思議でならない。
家に送ってもらった車内、丸の内らへんを通過した時。
・「あ!サラリーマンだ!!うわっ、すごいすごい!!」
ちょうど時はお昼時。ビルから続々と出てくるスーツの人々。
イタリアの田舎暮らしで、スーツの人間を見ることがマレだったからか、何故か緊張を覚えた。
今年の初めまでは自分もあの中にいたのにね。
・「みんな小さい・・・」
紛れもない日本人である私も完全に同類なのだが、車内から見るサラリーマン達は皆、小柄で頭が大きかった。。。
骨格も小さいが、横幅も小さい。
会社勤めをしていた頃、周りには「メタボ」を気にする男性陣がたくさんいた。
でも、どんなにお腹が出ているおじさんでも、やはり外人と比べると痩せているのだ。
今なら彼らに声を大にして言ってあげたい。「大丈夫、世界基準ではあなたは痩せ型だ」と。
家に到着、地元のスーパーへ食材の買出しに行った時。
・食材の高さにビックリ仰天。
ナスってこんなに小さかったっけ??ズッキーニは何故小さいのがラップでくるまれてるの?しかも一本298円ってどういう事??パプリカもイタリアの半分サイズが198円もするよ!!!
日本の物価の高さを思い知らされる。
イタリアだと贅沢をしなければ、本当にお金を使わずに生きていける。失業率がとても高くても何とか皆が生きていけるのは、きっと基本となるものの値段が安いからなのだろう。
これは相当ショックであった。
・逆にウキウキしたのは、コンビニの存在。
こーれはすばらしい!!地元のコンビニを見た時、思わず顔がにやけてしまった。
外国人は日本に来ると必ずコンビニに感動して帰るというが、それは本当。
あんな面白い商品がいっぱい揃っていて、店員さんも親切に「いらっしゃいませ」とか言ってくれちゃって、しかも24時間営業!!!
こんなものがある国は他にありません。
道路。
・歩きやすい!!
凹凸がほとんどない、アスファルトで綺麗に舗装された道路。
こりゃ空を見上げながら歩いても転ばないわ。ヒールも履ける。
・そして綺麗!!
犬の糞やゴミ、ほとんど落ちていない。最近はスモーカーのマナーが改善されたため、吸殻すらあまりない。
この綺麗さはすばらしいと思う。
・道の自販機。
イタリアにこんなものを置こうものならあっという間に機械ごと盗まれる。
イタリアの田舎では水など、barで買う事しかできず、大抵のお店が閉まってしまう日曜などは、うっかりしていると飢えと乾きに悩まされる事になる。
自販機がある安心感、priceless。
電車に乗る。
・面倒見が良すぎる放送各種。
次の駅名を言ってくれるだけで十分ありがたいのに、
「黄色い線の内側に・・・」「傘などお忘れ物のないよう」「電車とホームの間が離れています(たかだか20センチ位)」
面倒を見られすぎて、何だか子供に戻ったような気持ちになる。
・大口開けて寝ている人々。
私でもその気になれば彼らのカバンを盗める、という事なんて考えもしないのだろう。
日本ってすばらしい。
・街で見かける、「謝りの文化」
スーパーのレジ。
「この道20年」のスーパーパートのおばちゃんが、ものすごい速さでレジを打つ。
そして何故か、
「お待たせしてすみませんでした。お会計は~になります」 というセリフ。
思わず、
「いやいや、全く待ってないですよ」 と返してしまい、怪訝な顔をされた。
これまで何気なく聞き流してきた「お決まり文句」だが、ここまで仕事の処理が早いのに謝られると何か突っ込まざるを得ない気がしてくる。
イタリアのスーパー、レジ打ちの人間はぺちゃくちゃとおしゃべりをしつつ、仕事は二の次。ようやく合計金額をだしたかと思えば、お釣りをかったるそうに放り投げる。
こっちも単に買い物ができればいいだけなので特に気にしてもいなかったが、日本のサービスを見ると、イタリアに旅行に行く多くの日本人が「ムッ」とするのも分かる気がする。
交通整理のおじいちゃん。
道路工事のため、一方通行になっている所があった。
交通整理の人が立って、片側ずつ誘導している。
で、必ず「ご迷惑をおかけしてすみません。どうぞお通り下さい」とご丁寧に言うのだ。
これも衝撃であった。少し待つ位全然ご迷惑じゃないし、そもそもおじいちゃん全く悪くないのにさ。
帰国後の数日間は、日本人として当たり前な事を、敢えて意識できる貴重な時だったと思うので、思ったことをブログに記録してみました。