今、CESENAという駅で電車待ちをしながらこれを書いている。

今日今までは最悪だった。明日の朝、ASTIの警察にvisaをもらいにいかなければならないのだが、私がいる所からはとても遠いので、今日お休みをもらって出発する事にした。朝745分のバスに乗って一時間半離れた駅まで来ようと思ったのだが、待てどもバスは来ない。人に聞くと、今日からバスのスケジュールが変わって、朝一のバスは出てしまったらしい・・・。やられた。バス停の時刻表位変えておいて欲しいものである。仕方がないので次の10時半のバスを待つことに。ただ、待てども来ない。焦ってまた人に聞いた所、今日は自転車レースの大会が近くであるため、バスがバス停まで来ないとのこと!!困った。電車を逃したらアウトだ。うちは田舎すぎてタクシーすらない。仕方なく、隣町からタクシーを呼んで何とか駅までたどり着いた。70ユーロもかかった!!やりどころのない怒りを感じる。


さて、気を取り直して・・・次はもう一人の20才同居人、ウクライナ系カナダ人アレクシィについて。

経歴:料理学校を卒業してから、どこかしらの飲食店で働いていた。

容姿:身長は180センチ近く、大柄でスタイルが良いセクシー系。眉毛が細く、キツイ顔だが綺麗である。

特徴:魔性系。気だるい空気を醸し出している、脱力系。


こちらもまた、最初に見たときは同い年位かと思ったが・・・二十歳であった。

ウクライナ系なので、背が高く大柄な彼女。ジェニファーとは別の意味で迫力がある。日本人男子が隣に行けば、100%迫力負けする感じである。

でも、何と言うか美しい。セクシーである。色気で言うとアラサー日本人の完負けである。


彼女の一番の特徴といえば、何と言っても「魔性」な事。

二番目の特徴は、決してイタリア語を話そうと努力しない事。これは、私が英語母国語圏の人間に対して許せない所なのだが、奴らは外国人が英語をしゃべる事に対して「英語をしゃべってくれてありがとう」というリスペクトがないのだ。当然皆英語を勉強して話せると思っている。例えば日本人だったら、外人がヘタクソな日本語を頑張ってしゃべっていれば嬉しくありがたいと思うし、相手がわかりやすいようにゆっくりとしゃべってあげると思う。 まったく、日本人がどんだけ必死の思いで中学生の頃からガリ勉して話せるようになってると思ってんだ!会社で仕事をしていた時も、英語圏の人種と交流する事があったが、普通の顔をして自分のペースで難しい話を進めようとする。イラっとして、”I don’t speak English”と何度言ってやろうと思ったか。この話に共感する人、いますよね??


おっと脱線したが、とにかく彼女は誰に対しても、英語が全く分からない人にも早いペースの英語で話しかけるのだ。言語ができないからといって臆する事、遠慮する事が全くない。この厚かましさは大したもんだ。逆に日本人は、ちゃんとした文法でしゃべれないと臆して全くしゃべらなくなってしまう人が多いので、彼女と足して2で割ったら調度良い感じになるのかもしれない。

ここに住んで二ヶ月弱、彼女は何人もの男性を手のひらで転がしている。言語が通じ合っていないのに何故にこんな事ができるのだろうか。とても不思議なのだが、涙ぐましくも転がされている男性はおぼつかない英語を話して気に入られようと必死である。

ちなみに彼女はカナダにイタリア系カナダ人の彼氏がおり、その彼氏は毎日何回も彼女に電話をかけてくるのだが、挙句の果てにはカナダでの仕事を辞めてイタリアに来てしまうらしい。破滅系である。


彼女の手のひらで今一番転がっているのは、地元Bagno di Romagnaっ子、田舎純粋育ちのアルベルト君(27歳)。見るからに「良い人」だ。ホテルの雑用係で、機械は直すわ、庭師はするわ、蝶ネクタイを付けてウェイターはするわ、掃除はするわの万能マン。何かあると、「アルベルトに話そう」というのが皆の共通認識。

その彼が彼女にゾッコンになっている。 彼女の休みに合わせて自分も休み、車で色んな所に連れて行ってあげるし、愛玩犬の様に彼女の行くところ全てに付いてくる。毎日私たちは夜中12時まで仕事をしているのでそれから遊びにいくとなると深夜23時になるのだが、それでも彼はいつの間にか現れる。もうどこからどう見ても「都合の良い男」。自分がOne of themだというのが分かっていて転がっている輩は問題ないのだが、彼は絶対分かってないと思う。そんな彼が不憫でならない今日この頃。


いやー、凄腕の魔性系の前には言語の壁なんてないんですね。

彼女が今後どういう人生をたどるのか、遠くからそーっと覗いてみたいです。


ちなみに彼女はアンティパストを担当している日本人の男の子、あゆむ君の補佐として働いているのだが、英語が分からないあゆむ君と英語しかしゃべらない彼女の間ではコミュニケーションがほぼ出来ない。しかもしょっちゅうサボるし、「私は給料もらってないんだからそんな仕事はイヤ」と頼んだ事をしなかったり・・・

ただでさえポストが忙しすぎて限界を迎えつつあるあゆむ君はかなりストレスが溜まっているっぽい。

体格でも性格のキツさでも完負けしてる心優しい日本人のあゆむ君、ニッポン男児としていつかガツンとやってやれー!頑張れ!!と心の中で応援するのでした。