今日は『20歳のときに知っておきたかったこと ~スタンフォード大学集中講義』という本について。
みなさん、この本をご存じですか?
最近、本屋の店頭で
あの”謎解きクリエイターの松丸亮吾さん推薦”と書いてあって目にとまりました。
実はこの本、私がイギリスに居たときに原書で読んだ本です。
英語のタイトルは
『What I wish I knew when I was 20』(Tina Seelig)
読んだ当時、私は30歳前後だったかな。
色々な挫折を経験し、自分に自信を失いかけていて、ふと入った本屋で手に取り、買った本です。
当時、英語の本は専門書以外あまり読むことはなかった私ですが、
「自分の人生のヒントに」と一生懸命読んだ記憶があります。
もちろん、わからない単語もありましたが、とにかく当時の私にはとても新鮮な内容が書かれていて、
私の人生観を大きく変えた本です。
多くのモノは日本に帰国するときに処分しましたが、
この本は将来の自分の子供に読んで欲しいと持って帰ってきた本。
久しぶりにこの本を本棚から出し、ページを開きました。
紙も色あせてしまい、10年の月日を感じます。
だけど、あのときに感じた”衝撃”は今も色あせていません。
この本は著者がスタンフォード大学の起業家志望の学生のための講義の内容なのですが、
私は別にビジネスを目指す人用のものではなく、どんな人が読んでも感銘を受けると思っています。
例えば、次に書いたものは私が感銘を受けた言葉。
(当時はもっとあったのですが、さっきぱっと目を通し言葉をひろい、意訳したもの)
"Turn many well-worn ideas on their heads, and see yourself and the world in a fresh light."
(ありきたりな考えを覆し、自分自身や世界を新たな目で見直す)
"Life presents everyone with many opportunities to experiment and recombine our skills and passions in new and surprising ways."
(人生はこれまでに存在しなかった驚くべき方法で、自分のスキルと情熱を組み合わせたり、試みたりする多くの機会を与えてくれます。)
"Don't be afraid to get out of your comfort zone."
(自分にとって快適な場所から出ることを怖れないで。)
"The more you experiment, the more you see that the spectrum of options is much border than imagined."
(経験をすればするほど、自分が想像するよりもはるかに広い範囲の選択肢があることがわかる)
"The sole rule is that you are limited only by your energy and imagination."
(ルールがあるとしたら、それはあなた自身のエネルギーと想像力が決めているもの。自分自身がルールを決めているのです。)
"Failure is a natural part of the learning process. If you aren't failing sometimes, then you probably aren't taking enough risks."
(失敗は学ぶプロセスにおいて当然のこと。もしあなたが失敗をしていないのであれば、それはあなたが十分な挑戦をしていないだけです。)
"Don't be in a rush to get to your destination −the side trips and unexpected detours quite often lead to the most interesting people, places, and opportunities."
(最終目的地に急いでいかないで。寄り道や予期していない遠回りが、面白い人たちや場所、チャンスに巡り合える機会に導いてくれることがよくあります。)
"Give yourself permission to challenge assumptions, to look at the world with fresh eyes, to experiment, to fail, to plot your own course, and to test the limits of your abilities."
(常識を疑い、世界を新しい目で捉え、実験や失敗し、自分の人生を描き、自分の能力の限界を試す許可を、自分自身に与えましょう。)
"The most interesting things happen when you get off the predictable path, when you challenge assumptions, and when you give yourself permission to see the world as opportunity rich and full of possibility."
(あなたが予測可能な道から離れ、常識を疑い、世界は多くの機会や可能性に溢れていると捉える許可を自分に与えたとき、とびきり面白いことが起きるのです。)
これらのことは起業する人だけでなく、どんな人にも当てはまる、人生のヒントだと思います。
私もこの本に出会ってすぐに考え方を変えられたわけではありません。
この本だけでなく、他の本も読んだりして影響も受けているのも確かですし。
ただ、私は自分の両親にも日本の教育でも
「失敗をすることが良いこと」だとは教えられなかったですし、
失敗が次の成功の糧となり、チャンスであることも知りませんでした。
私は両親や(日本)社会の古く狭い枠の中でものごとを考える癖がありました。
それは自分自身で多くのチャンスに制限をかけていることにも気づいていませんでした。
この本は、「私が挫折した」と思っていたことは「挫折」でなく、
それは次の新たなステップへの1つの学習の機会であったことを教えてくれました。
自分は何も持ってないように思っていましたが、そうでなく「自分にもできることがある」ことを教えてくれました。
今良いとされる価値観や考えは、安定を求める人には「失敗」の無い道を教えてくれるものです。
だけど、それでは「自分」の本当の可能性を見出せないかもしれませんし、何より楽しく有意義な人生を歩む障害にもなる可能性もあります。
私はこの本を読んだ後、偶然ですが、日本に住む親族が老いでなくなりました。
「もう危ないです」と医者から言われたので、急遽日本に帰国しました。
まだ話せる状態の親族の声を聞けたのはラッキーでしたが、そこから数時間後に目の前でなくなりました。
その体験は私に、
”人生は一度きりで、いずれ人は必ず死ぬ”ことをはっきり教えてくれました。
(当然のことですが、認識として薄かったんです)
私は死ぬときにどうありたいのか?何を感じるのだろうか?
そう思うと、私は
「人生色々なことがあったけど、楽しかったな…」
そう感じて死にたいと思いました。
古い価値観のもと、“安定”はしているけれど、どこか自分という存在が希薄で幸せの感じられない生き方をするより、
失敗や悩みも多いけれど、その苦労の一瞬一瞬を楽しみ、自分の在りたいように生きる。
「その方が私らしくて、楽しいだろうな」と思いました。
この本との出会い、親族の『死』との出会いが、私の人生観を大きく変えたと思っています。
私だけでなく夫や子供の人生についても同じことを思っています。
夫は今は安定した企業に勤めていますが、彼のやりたいこととは違うらしく、色々な方向を模索しています。
例えそれが彼にとっても私にとっても険しい道になろうが、彼がそうやって自分の人生を模索しながら、より楽しく自分にとって意義のある道を選ぶことを私は応援しています。
子供の人生も同じです。
まだ子供がどのような生き方を選ぶかはわかりませんが、
最低限のことを終えたなら、あとは彼の人生なので彼のやりたい方向で色々チャレンジすればいいと思っています。
(命の危険があるようなことはして欲しくないですが…)
もちろん、このような楽しいけれどリスクのある道を選ぶということは、
いわゆる”安定コース”とは違い、親にも心配されますし、周りと同じものを手にできないこともあります。
失敗や苦悩が多いのも事実でしょう。
だからこそ、「失敗」や「苦悩」は当たり前だとポジティブに考え、
落ち込むことなく次へ向かえるメンタルを家族みんなで作ろうと日々努力していますし、
「これが私たちの生き方なのだ!」とある意味開き直っています。
この本のタイトル「20歳のときに知っておきたかったこと」。
確かに若いときにこれを読んでおけば、良かったかもしれません。
ただ、何歳で読んでも感銘を受ける内容ですし、時代が変わっても変わることのない本質を書いていると思います。
だからこそ、将来、自分の息子にこの本を渡したいのです。
18歳の人でも20歳の人、30代、40代、50代、年齢にかかわらず、
サラリーマンでも主婦でもフリーターでも、ニートやひきこもりの人、
どんな人生を送っている人でも、必ず得るものはあると思います。
ビジネスに関わる内容が例としてたくさん書いてあって、自分には関係ないと思うかもしれませんが、
「意味ない!」と切り捨てずに騙されたと思って読んでみてください。
心に響くものが必ずあると思います。
もしこれを読んでを興味を持った方がいましたら、
ぜひ本屋で買ってみてくださいね![]()
新版はこちら↓
旧版はこちら↓
電子書籍↓
英語の原書↓
*関連記事*
++++++++++
楽天roomでもステキなアイテムをご紹介しています↓
++++++++++




