【記事】Domani鳳真由さんスペシャルインタビューvol.1 | YUNHI My Room

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元宝塚歌劇団男役が11年間在籍していた花組の変革期に立ち合って感じたこと|鳳真由さんスペシャルインタビューvol.1

(抜粋)

鳳:退団して5年経った今でも、「私は花組の男役で本当によかったな」と思うんです。昨年の『はいからさんが通る』(柚香さんトップお披露目公演)を観た時に、「あぁ、新しい時代だ」と感じました。

 

そしてなぜか…、私たちは一世代前の男役だったんだなと、ほんのり寂しさがあったんですよね。で、その次の大劇場公演の『アウグストゥス/Cool Beast!!』。瀬戸さんの退団公演なので、同じ時代を過ごしてきた後輩として瀬戸さんの最後の男役姿に重点を置いて観ようと思っていたんです。ところがいざ幕が開いてみると、瀬戸さんはもちろんなのですが、真ん中にいる柚香の光るパワーがものすごくて。

 

ショーの『Cool Beast!!』を通して、その昔、朝夏(まなと)さん、望海(風斗)さんが花組にいらした頃に切磋琢磨していた男役の姿がそのまま今によみがえっているような気がしたんですよね。新しさとともに、そんな懐かしさがありました。みんなで熱く創り上げる空気というか、下級生ひとりひとりにいたるまで、「自分がタカラジェンヌである」っていうことを楽しんでいる空気をものすごく感じましたね。コロナ禍による公演中止などを経て、まだまだ油断のできない状況が続いていますけれども、「舞台に立てる」ということ自体がどれだけ幸せなのかということを実感しているのではないかと思います。「1分1秒もムダにしないぜ!」という気概を、男役さんからも娘役さんからも感じて、とてつもないエネルギーをもらいました。

 

私は花組出身だから花組びいきで、男役だったから男役の方中心に観てしまうわけですが…、やっぱり“瀬戸かずや”は花組男役の代名詞的な存在で、ずっと花組を見守ってきた上級生としての紡ぎが感じられました。同じ空間にいて同じ時間を過ごした柚香は、花組を引っ張りながらも花男としてのあり方を吸収して、周りに伝えていて。水美も、下級生も、瀬戸さんと一緒にフィナーレナンバーを踊りながら、瀬戸さんが伝えたいことを受け取っている空気が手にとるようにわかり、最初に感じた寂しさが昇華できたんですよね。「自分が知っている花組が一番素晴らしい」という気持ちはもちろんで、新しい時代になったことへのジレンマがあったんでしょうね。それが一気に解消された思いがあり、繋がりながらも進化していく花組の姿がすごく眩しかったです。永遠にこの舞台を観ていたいと思いました。

 

 

 

連載2回目も楽しみです

 

 

れいちゃん(柚香光)の ファンを公言している たそ(天真みちる さん)のインタビュー記事 ↓

(抜粋)

れいちゃん(花組トップスターの柚香 光さん)が別箱公演の『ベルサイユのばら—フェルゼンとマリー・アントワネット編—』でオスカルを演じたのを客席から観たときに、「時代が変わる」と強く思ったんですよね。新しい時代のオスカル像でとてもカッコいいんですけど、でもそれは私が目指していた「カッコよさ」とは違うんですよ。私が好きだったカッコいい男役は、言葉で語らずに背中で魅せるというか、ちょっと斜に構えているんだけどドンと安心感がある。私がそういうカッコよさを追いかけている間に、新しいカッコよさというものが生まれているんだと印象深かったですね。その後の『ME AND MY GIRL』でパーチェスターを演じたれいちゃんにも強くそれを感じました。

 

私はれいちゃんのファンを公言しているのですが、なぜれいちゃんが好きかというと、蘭寿とむさん(元花組トップスター)の伝統的なカッコよさを受け継いでいながらも、明日海りおさん(その後の花組トップスター)の下で2番手を担っていた時に彼女なりのカッコいい男役像を切り開き続けて進んできたから。そんなれいちゃんが引っ張っていく時代が来るだろうと在団中から感じていて、その価値観が変わる時代を自分の目で見ることができて感動しています。

 

新型コロナ感染拡大の影響で全部がストップしたのは、「大変」という言葉では片付けられないほどのことだったと思うんです。初日にモニター越しで観たれいちゃんと華ちゃん(トップ娘役の華 優希さん)に不安な様子は一切なく、「私たちは宝塚歌劇を続けます」という強い意思を持って真ん中に立っている姿を見て、ものすごく頼もしいな、って。今まででは考えられないような状況にもかかわらず、集中して少尉と紅緒さんの物語を届けると信念を貫いているふたりの下でお芝居ができることは幸せなことだろうと感じました。

学年とか年齢は関係ない、誰が真ん中にいるか、ということだと思うんです。2017年の『はいからさんが通る』の公演には私も牛五郎役で出ていて、華ちゃん演じる紅緒さんと絡むシーンが多くありました。華ちゃんは本当に肝が据わっているというか、舞台に出て「どうしよう…ハクハク」というのがなくて役として生きているからブレない。彼女が隣りにいることがすごく心強かったんですよね。