認知症専門のデイサービスに母は

初めは週に2回行っていた。車


認知症の症状がだんだん進行し、

曜日感覚がなくなった母は

毎朝デイサービスのお迎えを待っていた。


母はこのデイサービスが大好きだった。

表情が明るくなった。


最終的には週6日、デイサービスが休みの

日曜日以外毎日 9時から16時まで行っていた。

介護保険適用外もあったので

月に10万円ぐらい支払っていた。


デイサービスのスタッフさんの娘さん、

小学4年生ぐらいの子が、夏休みなど

デイサービスに遊びに来てくれた。

子供好きな母は嬉しかったと思う。


その子が母に言ってくれたのは


「私、えっちゃんのこと

(母のデイサービスでの呼び名) 

だーいすき!」


母は嬉しかった様で、

家に帰っても 何度も何度も

その話をしてくれた。照れ音譜


我が家は、その時 母が認知症である事を

世間、近所に隠そうとしていた。

母にも、病名は隠そうとしていた。

多分 隠せないけど、

でも 父は特に認めなかった。


父はデイサービスの送迎を恥ずかしがった。車

一度もしなかった。

別邸にいる私が、朝 デイサービスの用意をして

実家に行き、母がデイサービスから帰る頃に

また実家に行く。

毎日 繰り返していた。

家にいる父がしてくれたら 楽なのに。


昔は笑顔で近所に挨拶をして

よく働き、愛想が良くて、優しい母が

認知症になり変わってしまったのが、

私は嫌だったし、悔しかったし、

母の私に対する態度に

怒り、悲しみ、泣けてきたり…

私の母はこうじゃない、

こんなじゃなかった、、

受け入れる心の余裕がなかった。


小学生の娘さんは

今の母を

大好きと言ってくれた。


嬉しかった。


なんだか そこから 吹っ切れた気がする。


母を隠そうとするのはやめよう、

病気を隠そうとするのはやめよう。


父も母の変化に気が付いていた。

デイサービスの話しを嬉しそうにする。

イライラして 暗かった表情が明るくなった

デイサービス。スタッフさんのみんなが

母に優しくしてくれて。


「父さん、デイサービスの送迎さ

恥ずかしいっていうのん 失礼やわ。

母さんを恥ずかしいって思うのも、

母さんに対しても失礼やわ。

母さんは恥ずかしくない」


「わし、明日 お迎えするわ」


父は仕事をしていたけど、送迎ができる日は

してくれるようになった。

母から聞くスタッフさんの名前を覚えて

話もするようになった。


「私 えっちゃん だーいすき」


嬉しかったな。ありがとう音譜