ここ一週間、夫が合宿で留守だった。

そんな折に我が家の階段の電気が切れた。


脚立を持ち出し、つま先立ちになって手探りで電球を変える。


「あー、そういえばこういう事しばらくしてなかったなぁ・・・」


と思い、ふと結婚生活初期の初心を思い出した。



私は小さい頃から実家にて、女に囲まれて育った。

曾祖母、祖母、母、犬、文鳥までみーんな女・・・。

祖父は戦後日本の復興に全てを捧げて働き過ぎで早逝、父は昔から仕事が忙しく、ほとんど家で顔を合わせた記憶がない。

で、高校生になった頃だろうか、恐らく体力や腕力、身長において私は母を抜いたので家中で一番の力持ちになってしまった。


高い所のものを取ってあげられたり、硬いビンの蓋を開けてあげられたり、重い荷物を持ってあげられたり。

何かそういう事で「ありがとう」って言ってもらえたり頼りにされると嬉しいし、「あら力持ちねぇ、やっぱ若さねぇ」とか言われると「だろっ」と得意な気持ちになっていたものだ。(女の子的に「力持ち」と言われて嬉しがっていいものかどうかは何とも言えませんが)

学校や会社でも同世代の女子達の間では割と力はある方で人の分の荷物まで持ってあげちゃったりしていたし、何か自力で(体力面において)できないことはないような勘違いを起こしていた。


「自分は力持ち」が多大なる勘違いだったと身をもって知らされたのは、イタリアで料理をしてた時。人生初めて「レストランのキッチン」という物を体験したのだが、身の回りのものが全部重かったり熱かったり・・・。それらをほっそい男の子コックがひょいっと持ち上げちゃうのを目の当たりにし、「規格が違う・・・男ってこんなに力持ちだったのね」と呆気にとられたものだった。

男は女よりも力持ちってあったりまえの事だけど、今まで家庭(with中高年女性達)、学校(女子校)、会社(デスクワーク)において「男性の力」ってものをあまり目の当たりにしてこなかったのだろうと思う。


そんなわたくし。

結婚して、アメリカにて夫と暮らし始めること8ヶ月。

まず思ったこと。


あー、結婚って何て便利・・・いや、ありがたいんだー!!! 


まじ、一家に一台、男ですね。


こちらで組み立て式の安い家具を色々と買った時にはソファでも机でも椅子でも組み立てちゃうし、引越しの重いダンボールも私だったら何往復もしなくちゃ運べないものを一気に運びあげちゃうし。

高いところには手が届く、痒い所にも手が届く。

壁に飾り棚を付けたいと思ったら、ドリルを買う事もなく素手でグリグリとネジを入れ込んで作ってしまう(一部、勢い良く穴を開けすぎて壊れてしまったけど 笑)

男が一人家にいると、出来る事の幅がものすごい広がるんですね!!


この感動は、いわば私の結婚生活における「初心」とも言えるでしょう。



「初心忘れるべからず」という言葉がある位初心って忘れやすいものだけど、いつも黙々と重い荷物を持ってくれたり高い所の電球を替えてくれたりする夫への感謝を忘れちゃいけないな、と思いブログにしてみました。