12月24日深夜、私達はエクアドルのグアヤキル空港に到着した。

26日からのガラパゴスクルージングツアーの前、万が一飛行機の関係で船に乗り遅れる人がいたら大変と、ガラパゴスツアーには大体一日どこかの町で過ごすようなバッファが設けられているのだ。


なので、25日クリスマス当日、私達はガラ~ンとしたグアヤキルを観光する事となった。

スペイン領だったエクアドルは、キリスト教の国である。クリスマスは家族で過ごす日。ほとんどの店は閉まり、町はとても静かだった。



yunのブルーミントン日記 唯一賑やかだった海沿いの遊歩道。家族連れがゾロゾロと歩いていた。大体子供は5人位いる。きっと10代で子供を産む人も多いのだろう、中にはどれが母親なのか分からないような家族も。


エクアドル人について興味深いと思ったのは、見事なまでの人種ミックス。

黒人系いれば、白人系いれば、アンデスの山のあたりにいるような黄色人種系もいれば、マレー系のような感じの顔の人たちもいる。すれ違う家族によって顔が全然違うのだ。



泊まったホテルは町のど真ん中。

部屋から大聖堂と、その前にある「イグアナ公園」が見渡せる。


yunのブルーミントン日記 大聖堂。なかなか立派。ただ、その後ろにはまだまだボロい建物が。


・・・そして
yunのブルーミントン日記 じゃーん、イグアナ公園!

見えますか?

この木には無数のイグアナが群生しています。

下を通る時は糞尿爆弾に注意(笑)



yunのブルーミントン日記 子供にチップスをもらっています。


yunのブルーミントン日記 すごく近くまで近寄れるし、触る事も可!

※)ガラパゴスにいるイグアナは手厚く保護されているため、触る事は出来ません!!



イグアナは元々この地域に沢山生息していたのだが、グアヤキルの町が大きくなると共に住処を奪われた。なのでこの公園にて餌付けをし、保護する事にしたのだとか。

イグアナも「ここにいれば安全」と理解しているので、特に柵などを作らなくても外にはでない。


・・・なのだが、天敵が現れた。


それは、中国人!!


グアヤキルにも巨大な中華街を作り、商売をしている中国人。

動きが鈍く、全く無抵抗なイグアナを何と、捕まえて食べ始めたのである!!

そりゃぁ・・・お金のかからない食料だけど・・・。


曰く、「鶏肉に近い味」なのだとか。

中華街のレストランにて炒飯などにされていたらしい・・・。


可哀想なイグアナ達は中国人によって絶滅の危機に晒されたのだが、15年程前からはエクアドル政府が取締を強化し、イグアナ達は救われたらしい。



イグアナ公園を見学した後は、ラス・ペーニャスという地域を見に行く。


yunのブルーミントン日記

スペイン植民地時代の面影の残る、丘にカラフルな家々が連なったその地域は、昔は治安が悪い所として有名だったらしいが、今は浄化され、アーティスト達がギャラリーを開いていたり、夜はバーが沢山ある、活気のある遊び場になっているらしい。


yunのブルーミントン日記 クリスマス当日だったため、ガラーンとしていたが・・・。


yunのブルーミントン日記 ま、こんなギャラリーが沢山あるはずなんですね。



この近くには、大規模な花売り場があった。


yunのブルーミントン日記

エクアドル人。「プレゼントは絶対花!!」という程お花が好きらしい。


yunのブルーミントン日記 こんなデコレーションが15ドル位で売られている。



もう一つ。

グアヤキルの道端で売られていた、忘れられないものがある。

それは、
アニョビエッホと呼ばれる人形。


yunのブルーミントン日記

とある通りにて、大量の人形が作成、販売されている。


年末、各家族にて新聞紙などで人形を作り、12月31日の夜に通りでそれをボコボコに壊して燃やす、というのがエクアドルの伝統らしい。

「一年の厄を払う」という意味があるらしい。



yunのブルーミントン日記 形は様々。プーさんやミッキーがいたり、原寸大の現大統領がいたり。マリオや「魔人ブウの進化系」までいたのには笑った。 著作権ガン無視であるが、まぁこれは許されるでしょう。

可愛い系の人形をボコボコにして燃やすっていうのはちょっと乱暴な気もしますね・・・。


yunのブルーミントン日記 メッシまでいる!!かなり大きいけど(笑)



そして、ガラパゴス周遊を終え再びグアヤキルに戻った30日。

運良く私たちはアニョビエッホを燃やしている光景に出会う事ができた。


yunのブルーミントン日記

ちょっと写真が遠いけど・・・

人間の形のものと、熊の形のものが折り重なって燃やされている。

燃やすときに爆竹まで仕掛けるらしく、バンバンとすごい騒音!!


31日にはこれが街中に響き渡るのか・・・と思うと恐ろしい。




「中南米」というと、日本人的に「危ない!!」という印象が強いが、グアヤキルの中心部はあちこちに警察がおり、とても治安の良い所だった。

スペイン語しか話せない人がほとんどだったのであまりコミュニケーションはとれなかったが、人は皆良い感じ。


エクアドル人。住む国の気候も人種も発展度合いも全然違うのに何かホッとする感じだった。

ラテン系の明るさと、人から溢れるmodestな感じ。 「謙虚」と直訳するとちょっと大げさだが、要は「偉ぶってない柔らかさ、ナチュラルさ」みたいなものかなぁ。 エクアドル人に感じたこのmodestな感じは、日本人に共通するもので、だからホッとする感じがしたのではないかと思う。


逆にこのmodestさを感じる事が非常に少ないのがアメリカ社会。

「アングロサクソンだから」なのか、「アメリカ人だから」なのか知らないが、国の発展度合いや生活レベルが似通っているのに、我々日本人と雰囲気的な共通項を見つけられない。 これ、結構不思議である。

もちろん、「良い人」は沢山いるんだけど、日本人の「良い人」とはまた雰囲気が違うんだな。



中南米は、数年前母とペルーに行ったことがあったが、ツアーだったのであまり現地の人の素顔を見る機会が少なかったように思う。

今回エクアドル人と少し触れ合えてすごく良い印象を受けた。

なかなか行きにくい場所だけれどまた訪れる機会があったらいいなぁ・・・と思う。