いよいよ手術室へ。
点滴をガラガラと押しながら
看護師さんの後を追った。
手術室までは看護師さんが案内してくれる。
看護師さんが先頭を歩き、その少し後ろを
相方と一緒についていった。
ゆっくりと歩いていくと…
看護師さん:
「あのドアの奥のエレベータに乗りますよ」
「あのドアの奥のエレベータに乗りますよ」
入院中にこの1回しか通りませんでした。
この写真を見るとあの時の恐怖が甦ります
ドアを通り、奥のエレベータへ。
何というか…無機質で色が無い。
オフィスビルの通用口のような雰囲気だった。
手術室のある階へ到着
エレベータから出るとまた無機質な空間が
広がっていた。
何もない幅の広い廊下をトボトボと
歩いていくと...
向こう側の見えない大きなガラスのドア
の前についた。
看護師さん:
「立ち合いの方はここまでです」
「立ち合いの方はここまでです」
看護師さんが歩みを遮るように腕を前に出す。
ここが手術室か....じゃあ、行ってくる
相方とそこで別れた。
ドアを開いて中へ。
まだそこは手術室ではなく、受付センター
のような場所だった。
奥に手術室がいくつも並んでいるのが見えた。
ここも無機質で色の無い空間だった。
ここも無機質で色の無い空間だった。
看護師さん:
「こちらに座って少しお待ちください」
指示通りに椅子に座った。
しばらくして...
一人の医師が近づいてきた。
麻酔医:
「麻酔医のSと言います。全身麻酔の説明をさせていただきます」
「麻酔医のSと言います。全身麻酔の説明をさせていただきます」
あー、そうだ
麻酔医による説明があるって昨日看護師さんが言ってたっけ
麻酔医による説明があるって昨日看護師さんが言ってたっけ
全身麻酔の同意書を前に置き、全身麻酔の
目的や効果、副作用の説明を始めた。
直前に迫っている手術の恐怖と緊張から
何も頭に入らず、ただ相槌を打つのみだった。
副作用が怖いからって同意しなかったら
手術受けられなくなるわけだし、
同意するしかないじゃん...
同意するしかないじゃん...
と思いながら説明を聞く。
一通り説明が終わり…
これで本当に手術か...と思ったその時
麻酔医:
「ところで、セカンドオピニオンは受けますか?」
「ところで、セカンドオピニオンは受けますか?」
・・・えっ?
ここまで来て?
受けませんっ!
麻酔医:
「……ですよね」
トークスクリプトなんだろうけど…
受けると言ったら手術は中止でしょ?
答えが分かっているはずの質問に、
少し不安が和らいだ。
