入院した病院は大学病院なだけあって、
医学生や看護学生が頻繁に実習で来ていたようで…
私が入院している時も多くの学生が実習に来ていたようだった。
そして私にも一人の看護学生が実習としてつくことになった。
看護師さん:
「かずにぃさん、学生実習の協力をお願いしたいのですがよろしいですか?」
と、同意書を渡される。
未来の医療のために少しでも役に立つなら
と、同意書にサイン。
その後、看護師が実習生を連れて挨拶にやってきた。
実習生のOさん:
「あ、あの、学生のOと言います。よろしくお願いします。」
「あ、あの、学生のOと言います。よろしくお願いします。」
緊張気味に挨拶をしていた。
はい、よろしくお願いしますねー
そして、挨拶をが終わったら戻っていった。
まだ学生さんか…初々しいなあ。
まあ、看護師と一緒にバイタルサインチェックにやってくるくらいでしょ…
その後、しばらくしてカーテン越しに...
Oさん:
「す、すみません...学生のOです。検診に来ました」
「す、すみません...学生のOです。検診に来ました」
と、今度は一人でやってきた。
あっ、一人で来るのね。
Oさん:
「えっと...体温と脈と血圧を測らせてください」
指を折りながらの検診のラインナップ説明。
そして…
脈は手首に指を添えて2分間カウント
血圧は腕に聴診器を当てながら血圧計で測定
なんとも古典的な方法ですなあ・・・
測定中は終始沈黙。
一通り終わった後…
Oさん:
「あっ、あの、、、質問してもいいですか?」
と緊張気味に聞いてくる。
なんだ、雑談していくのかな?
質問、もちろんいいですよ。
Oさん:
「えと...あっ、この病気になって今の気持ちはどうですか?」
「えと...あっ、この病気になって今の気持ちはどうですか?」
・・・・・・・・
そんなこと聞く?


あまりの唐突さに驚きを隠せず...
「明日初めての手術なので不安です」
と答えるのが精いっぱいだった。
そしてOさんは戻っていった。
一人になって、
じわじわと効いてきた。
看護師は、患者の気持ちに寄り添った対応が求められるのだろう。
だからOさんは私に今の気持ちを訪ねてきた。
一方、入院手続きが終わったら遊びに行こうと思っていたくらい元気な私。
でも、それって元気なつもりでいるだけなんだ。
体のどこも痛くない。
苦しいとか、
辛いとか、
そう感じることもない。
体調の変化なんて感じない。
だから大丈夫....
そう思っていた。
でも、実際は・・・
誰かに気持ちに寄り添ってもらわないと
誰かに気持ちを支えてもらわないと
そんなことが必要となってくる
そういう病気になっているんだ...
Oさんの言葉が重くのしかかる。
潰れそうになるくらい気持ちが沈んでいった。