父の話によると...


弟君は、今年の健康診断で首の腫れを指摘されたらしく、地元の耳鼻咽喉科を受診。


首のリンパ節が腫れていてエコーと細胞診を経て甲状腺癌と診断されたとのことだった。



不意な話で戸惑ったが、弟君のことを聞いた以上ここで自分の手術のことを伝えないと不自然になる。



あの、怒らないで聞いてほしんだけど…

オレも同じ甲状腺癌で来月手術するんだけど...



父:「そーか、お前もか」


意外とあっさりした反応。



まあ、そんなに心配しなくても大丈夫よ。

こっちは半分だけ甲状腺切れば終わりかもしれないから。


とあまり深刻な感じにならないように伝える。



父:「お前も体大事にな」


そう言われて電話は終わった。




まさか…


弟君も?


同じ甲状腺癌?


確か甲状腺癌はもともと癌の中では罹患者数が少ない方でしかも男性の罹患者は女性より少なかったハズ。


それなのに男兄弟で甲状腺癌...

もしかして遺伝?


新たな不安がよぎった。


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次の日


相方と一緒にT大学病院へ。



自分は病状や手術内容に納得していたため、


今日は相方向けの日だな。


と思っていた。



番号を呼ばれ、診察室へ相方と入る。



N先生:

「お変わりないですか?今日は手術説明をしますが、その前に前回の検査画像を見てほしいのですが」


モニターに映ったCT画像を覗き込む。



N先生:

「ここ!ここを見ると癌が甲状腺を飛び出だしているように見えます。そのため、甲状腺全摘手術に切り替えます。」





ショックだった。



甲状腺を半分残せると思っていたのに…

病状は軽くないのか…



この日、N先生は手術について丁寧に説明してくれた。


これで術前の診察はない。

あとは入院を待つのみとなった。