このクリニックでは甲状腺の専門医であるドクターが毎回診察してくれる。

だから、何の疑いもしていなかった。
甲状腺専門医のドクターに診てもらっていれば大丈夫だと思っていた。



ただ、ちょっと考えれば気付けたはずで。

癌でも良性腫瘍でも治療するとなれば基本的には手術。

手術をするのは外科。

このクリニックには手術設備はどこをみてもない。

ということは、ドクターは外科ではないのだろう。

専門分野が違うというのは、当たり前だった。



そうだったんだ…

ドクターの診察についてようやく理解できた。


だから、最初にしこりの診断の時に「プロにみてもらう」と言ってたんだ…

だから、経過観察の診察で何をしようかと迷っていたんだ…

だから、エコー検査もF先生に託していたんだ…



ドクターは親身に診てくれていた。
専門外なのにできることをやってくれていた。


だからといって医師に任せきりにしちゃダメなんだ。
自分から言わなきゃダメなんだ…


医師は治療に関してアドバイスをくれる。
そのアドバイス通りに治療するかしないかを決めるのは患者。
選択権は患者にあるわけで、納得するまで医師と話さないといけないんだ。


つまり…



半年前の診察で、

F先生がエコー取りますって言ってました!

と、自分から言わなければならなかったんだ…



もしかしたら半年早く見つかっていたかもなあ…
そしたらもう少し状況は良かったかも。

そう考えると悔しかった。