部屋の片隅に、枯れた白い薔薇があった。











花びらは茶色く変色し、触れればはらはらと崩れ落ちそうなほどに乾ききっている。











その花は、かつて永遠を誓う象徴だったはずなのに、今はただ、無残な姿を晒している。











僕はそれを手に取り、ぎゅっと握りしめた。











掌に食い込む棘の痛みも、滲む血も感じない。











それよりも、この胸を蝕む、もっと深い痛みに比べれば、こんなものは何でもない。











握りつぶされていく花弁が、僕たちの壊れてしまった誓いを嘲笑うかのように散っていく。











僕には、もう、君との永遠を誓うことなどできないのだと、突きつけるように。











この世から僕だけが消えることが出来たら。何度そう願っただろう。











君に出会ってから、僕の世界は君を中心に回り始めた。











君の笑顔、君の声、君の全てが、僕の歪んだ心を支配した。











それは、まさに思いがけぬ出逢いだった。











君のその瞳に狂わされた日から、僕は奈落へと堕ちていった。