私は東京の隣県で、東京都内までは電車で30分のところに実家があり、中高は都心の学校に1時間ちょっとかけて通っていました。それまでも隣県、海外など引っ越しはあったものの都内には住んだことはなく、今回初めて23区内に住んでいます。
都心の中高というのは、やっぱり都心から通う子が多く、23区内組が多かったのですが、西東京、埼玉、千葉、神奈川となんとなく派閥ができていました。
別にそれでイジメがあったとかはないですが、
通学に時間がかかる、通学路線が同じなので仲良くなる、通学が遠いため、途中で寄り道出来る駅が豊富などの理由から、23区外組で仲良くなる事が多かったのですが、23区内の友達も当然いました。
見えないヒエラルキーでは当然のように、23区内のほうが高く、おそらく親の収入も多かった事が伺え、金銭感覚的にも23区外の子のほうが付き合いやすいという感覚がありました。
冗談を交えて、こちら側を揶揄される事もありました。相手側が本当はどう思っていたのかは知りませんが、まぁ、こちら側としては特に気に留めるような事はなかったのですが、
子供ながらに都内に住んでいるブランドがある事には気付いていました。
純然たる事実として、都内に住んでいるほうがどこに行くのも近く、学校も近いので当然ながら大きなメリットですね。
確かに都内ブランドがある事はありますが、それに憧れるかというと、私はそういうタイプではなかったので、大学で地方に出たのですが、
高校の同級生で東京をでたのは私と医学部に行った子のみであとは全員、都内またはその隣県の大学に進学しました。
なので、多くの子は、東京で生まれ、東京で育ち、中高大社と都内にいる人がほとんどなんです。(それか、隣県で育ち中高大と都内にかよった)
結婚してから夫の転勤で地方に住んでいる人は少しいますが、未だにおそらく同級生の90%くらいの人が今でも都内に住んでいます。(小さな学校だったのでほとんどの同級生の動向がフェイスブックやグループラインないし噂で耳に入ってきます)
大人目線でいえば、東京には大学も仕事もたくさんあり便利だし都内を出る理由がないというのがおそらくほとんどの人が東京にとどまる理由であり、東京にブランドを感じて住んでいる人は少数派と思えます。
ですが、高校生の頃は、地方の大学に行くというとかなり奇異な目で見られたものです。東京以外出身の人から見ればバカバカしく思えるかもしれませんが、都内育ちの女子たちからすれば、かなりおかしな選択なのです。
私が生まれた年に男女雇用機会均等法ができたとはいえ、私ら世代は、まだまだ大企業の一般職を狙い、良い夫を捕まえるみたいな価値観が残っていた時代で、親はそう希望しており、そうなる子とバリキャリになる子がいました。それでもみんな今は共働きですが。
中学受験をして都内の私立中高をでて、有名私大に通いながら、一般職になる。いわゆる箱入り娘が多い学校で、
それこそ隣県から通学時間をかけて通学してた子たちは、その家庭の上昇志向は高く、総合職で大企業に勤めている子か手に職で薬剤師か看護師系が多いという特徴があります。
まぁ、いうなれば、田舎にも多い、
地元で育ち、地元企業に就職し、地元で結婚、実家近くで子育てを都内の真ん中で地で行く人たちと同級生だったわけです。
お金があるからか、公立中学には通わず、中学受験しただけ、なんとなく有名私大に入っただけという感じなんでしょうね。
今、冷静に思えばそうなんですが、(本当に今気づいた)
あの頃は、わざわざお金をだし、受験勉強までして私立中高に通い、有名私大に受かっているんだから将来はみなバリキャリを目指すものだと思い込んでいたので、東京からでたくないので一般職という友人たちを魅了する東京というブランドにどれほどの価値があるのだろうかとすごく不思議に思っていたのです。
彼女たちは都内からは絶対にでないのです。というか出れない。
都内23区の魅力とは一体!
と思ってたんです。今回、都内に住んで、まぁ、なんていうか暮らしづらすぎる!!
Iターンする人が多い理由も納得。
まぁ、私みたいな隣県出身者は、Iターンする場所もないけれど。
とにかく、今回は転入するのが本当に大変でした。未だに転入手続きが終わってない。
私の実家のある県で海外から転入したときは、1度で全ての手続きをしてくれて、転入届けから、年金や社会保険、学校、子供関係、流れ作業で何番行ってくださいという感じに進んで、その日1日は大変だったけど、予防接種の予診票なんかも全て1日でもらえて、終了したんですよ。
今回は転入手続きはすぐに終わったのですが、大量の手紙を渡され、各課に必要書類を全て送らねばならず。あれが足りないだとか色々と揃えるのが大変でした。保険証のコピーやらマイナンバーやらが必要でそれが揃うまで数週間かかりました。海外転入だって多いはずなのに海外だからという理由ですごく手間取りました。そして幼稚園に入園したら補助をもらうために同じ書類を既に3回書いているし。前年度海外にいたために記録なく所得がわかる書類を毎度、提出しないといけないとか、違う課には児童手当もらうために同じ書類を再度提出しないといけないとか、予防接種のためにわざわざ健康相談所まで行ったのに、そのまま書類の処理し忘れられたらしく、未だに予防接種を受けられてないとか、
日本脳炎を蚊の季節までに受けたかったのに。
行政が完全に縦割りで、
全ての部署に同じような書類を何度となく提出を求められるんですよね。
窓口に来られたくないのか、忙しいから来なくていいですよーだからなのか、全て郵送なんですよね。
で、書類不備があると電話きて、郵送してとかで。
めちゃくちゃややこしすぎる。
しかも、補助金も、
もらえる可能性のある方にお送りしています。
という書類がくるんです。
年収的にたぶんアウトなんですが、海外にいたから前年度の収入が少なくて低収入世帯にカウントされてて、手紙がくるんですよね。
その書類もややこしいことなんの。
東京は、頭の良い、きっちりした人しか住めないよね。
行政の無駄がすごい。
そしてにっちもさっちも行かなくなってる感。
変えられませんみたいなね。
逆に地方は、政令指定都市とかになったり合併したタイミングで結構改善されている気がします。
前回転入時にはなかった悩みがいっぱい。
行政関係、まじでうんざり。
そして、食品も高いし、家族で買い物に行ける場所もなく、子供がのびのびできる場所もない。
どこに行っても混んでいる。そして暑い。
どこでも近い、習い事の選択肢が多い。
意外のメリットがないんですけどー。
と思ってる。
もしかしたら、学校のレベルは高いのかもしれない。
と、珍しく不満だらけの東京生活なのですが、
他の同級生たちは疑問も持たずに東京が1番だと思って暮らしてるんでしょうかね。
本気ではなかったとはいえ、千葉から通ってるだけで馬鹿にされ、地方に進学したことを白い目で見られた身としては、なんだかなぁと思うわけです。
ただ、私は地方に進学したことで価値観がとても変わり、色々と学びました。
結婚してから地方の地元企業で働いて、そこでも色んな発見があり、
色んな行政をみて、思うところがありました。
教養があると言うことは、見てもないことにどれだけ想像力を働かせられるかだと言われますが、
いくら想像力を働かせたとて、経験にまさるものはないと思います。
色んな場所に住んで感じた経験は何事にも変えられない。それが国をまたぐならば、それも大きな経験になります。
転勤族は、見方によっては、安定した人間関係を築けないので可哀想でもありますが、
東京から動けない人たちも、ある意味可哀想でもあるんだと思います。(もちろん、幸せならそれでいいですが)他の良さに気づくチャンスがないのも機会の損失。
どっちを取るかですが、
転勤族は身軽さがやっぱりメリットですね。
色んな土地を経験できる、それにカメレオンのように同化していく子どもたちは、大人になったら自分の生きやすい場所を探せる様になるかもしれないですね。