Twitterでフォローしてた人で結構気になる人だったので読んでみたかった本。
ずっと海外で活躍されていて、海外の良さ、日本の遅れてるところなどを発信していた人ですが、
子供を持つと日本に対する認識が変わるという話。日本の教育は言うほど悪くないという話で前半部分は、私が思ってた事を深く考察していて、非常に面白かったです。

国際結婚されているのでバイリンガル教育についても触れており、バイリンガルなんて世界ではたくさんいるのだから早期教育なんて当たり前!という論調ですが深くは触れてません。
最近のTwitterとは内容がちょっと違います。
そこが気になって読んだのでちょっとガッカリ。



 
医療費の話や安全性、自由、保育料や学童など私はここまで制度が整っている国(日本)は少ないのでは?と思っていたのですが、やはりそうだという話です。
筆者はイギリスで子育てしているので、イギリスの話が多いですが、アメリカにも通づるものがありやっぱり日本っていいよねぇと深くうなづいてしまう内容でした。(なんでも日本がいいわけでは全くない)
 
このあたりの事って、本当に何物にも変えがたいメリットだと私は思うんですよね。
アメリカは確かに経済発展しているし、先進国だと思いますが、
絶対に安全な国にはなりません。
これは、絶対。この国から銃がなくなることは絶対ない。
スクールシューティングだっておこらないとも限らないし、
麻薬などの危険性は高学年以上を持つ親御さんはきっと日本より心配していると思います。
 
しかも、この本でも大きく取り上げていますが、アジアンヘイトがある限り、
このアジアの顔を持つ我々は、少なからず危険と隣り合わせですね。
 
アジアンヘイトの特徴は、弱者を狙ってくること。
テキサスのサムズクラブでもアジア系の親子が撃たれたし、
アトランタではマッサージ店でアジア人8人襲撃
この前は、テキサスのモールで休日の真っ昼間にアジア人親子が殺されてます
どこかの郵便局で中国人親子が銃で脅されたり、
老人が殴打されたり
 
夜で歩かない、変な人には近づかない、変なところには行かない
 
を守れば、それなりに安全に過ごせると思っていたアメリカ生活にかなり衝撃を覚えました。
 
 
その他、この本では人種差別にも言及しています。
アジアンヘイト以外にもアジア系の差別は平然と行われています。
 
逆に日本は外国人にとって最も安全な国だと書かれています。
確かに、偏見や差別があったりしますが、命の危険にさらされることはないと書いてあります。
海外のほうがひどいそうです。
 
その他に日本の子育て感についてもしつけなどの点で言及しているのも面白いです。
しつけは、日本のほうがしっかりしているというのが筆者の主張です。
日本では欧米のほうがしつけが厳しくしっかりしているといことをよく聞きます。
私もアメリカのほうがしつけは厳しいのかな?と考えていたのですが、
イギリスでは格式高い家はめちゃくちゃ厳しいが、それ以外は本当にしつけなどないに等しいという論調です。
確かに、私がいるエリアは高所得者層のいるエリアなので、私が見ているアメリカ人は、しつけが厳しい世界なのかもしれません。
 
ごみをごみ箱に捨てるのでさえ、東アジア人のみと筆者は言っています。
確かに、私の住んでいるエリアでもジュースの飲みかけやごみなど、これ置いていく?レベルのごみは平然と落ちていますね。
 
 
この本を読んでいても、住んでいても感じるのは
欧米の高所得者層は、ものすごい勉強もしているし、しつけも厳しく、よい教育をうけ、優秀な人材を多数輩出しているが、それ以外は、家庭環境からしても落ちこぼれるように出来ている。一度落ちこぼれたら、そのままサポートなどなく落ちていくシステムであるという事。
そして、ホワイトカラーの職種も限りがあるので、むしろそれが合理的であるという考えです。
 
 
逆に日本は均質な教育がなされ、しつけも教育も多少のばらつきはあるものの、
海外の比ではなく、高い水準にある。皆がホワイトカラーを目指せるということです。
そのためホワイトカラーは飽和状態ですけどね。
ただし。学力上層への教育が不足している。
突出していい人材を育成できないから、日本が今弱っているのでは?
 
 
 
筆者は、日本は少子高齢化で先がないので海外に出た方がいいという論調ですが、筆者はバックパッカーなどで海外を渡り歩くほどのガッツがあるのでそりゃそうでしょうが、
まじかぁと憂鬱な気分になります。
 
 
確かに少子高齢化だし、日本も嫌な点、ダメな点もたくさんありますが
日本が変わるという選択肢はないのでしょうか?
無理なのかなー?

出生数が80万人になったということで騒がれていますが、
それでも世界で36位です。ドイツやフランス、イギリス、カナダ、オーストラリア、韓国など先進国で比較すると圧倒的に多いです。→各国出生数
高齢者が多いという重大問題は抱えてますが、昔と比べて死生観なども変わってきていますし、健康寿命が重視されてきています。高齢者の延命治療などはかなり疑問に思うところです。
 
人口に関しては未だ11位です。→世界の人口
日本より大きな市場はそんなにたくさんはありません。
日本でオワコンなら、どこの国ならいいのか。
 
 
だったら日本に住みながら世界を相手にできることを考える方がずっと効率的では?
 

ただそうすると、日本人の自己主張のなさや、周りと合わせる空気は嫌だなとおもいます。

そのために一生、日本から出なくていいとは全く考えてません。出てこそ、日本の良いところ、悪いところがわかりますよね。

なので、子どもには国際人を目指してほしい。けど、やっぱり日本をベースに考える方が合理的である。
 
しかし、本で触れられている、海外の常識と日本の常識の乖離はなかなか厳しい。
自己主張や謙遜文化などなど、あまりに海外と感覚が違うので、骨の髄までしみ込んでいるこの謙遜文化をどうすればいいのか絶望感すらあります。
もう子育ての端々に、日本人らしさが出まくっており、子供はアメリカ育ちですが完全に日本人ぽさを備えています。
もちろん、日本に帰国後を見据えてそうしている部分もあるのですが完全に無意識の部分で日本人たる部分が深くて難しいですね。
 
また、自分の考えを表現する技術が圧倒的に足りない。
前に、国際結婚の友達が子供の良さを論述することがあり、アメリカ人の夫が書いたら、よくもこんなにわが子を褒めらるなというほどの文を書いたそうです。マインドも文章力も何もかも違うんだろうなと思ってしまいました。
 日本でも文章力がない私には途方もない差に見えてしまい絶望感あります。

教育やマインドがあまりにも違って、海外で子育てしても、海外の学校に通っても
結局は日本人の親が育てた子はその子の良さを発揮できないのではないかと思わずにはいられませんでした。
国際人になるの大変。

その他、本当に描ききれないほどいろいろと書いてありましたが、
やはり日本の学歴社会(受験戦争)に突っ込んでしまうのはナシなんだなと思うに至ります。

そして、この筆者もそうだし、第二言語がペラペラな人は結構オタク気質ですよね。
何かにハマるというのは、大事な資質だなぁと思います。