世の中には、
あの会社は有名だし安心。
〇〇さんがおすすめしてた物だし良いに違いない。
ちゃんとエビデンスがあるし体に良さそう。
そんな事を言う人がよくいます。
私も昔はそうでした。
人間はどうしても有名なものに弱いですから。
しかし有名だからといって安心できません。
ましてや専門家でもない著名人が、おすすめしただけでその商品が良いかなんて分かりません。
エビデンスにしても同じです。名前を出すのはあれですがト◯ホとかは「こういうデータがあるので脂肪の吸収を抑えます。」
などとこれ見よがしにエビデンスを出してきますが、よく見てみると"効果がある"と言って良いのか危うい効果だったりします。
こういった有名なら大丈夫というようなバイアスを避けるには
その分野の知識と「本当にそうか?」と疑うクリティカルシンキング(批判的思考)が不可欠です。
常に疑ってかかるのは人としてどうなんだ?という方も居るでしょう。
今の時代私たちは膨大な情報にさらされています。この環境で常に信じて疑わないのは危険なんです。
情報は役に立ちますが正しいものもあれば、フェイクニュースや偏った意見もあるものです。
一度立ち止まって「この情報は信頼できるか?」「根拠はあるか?」と自問することでフェイクニュースなどに騙されないようにしよう、という意味です。
今回は安易な考え(ヒューリスティック思考)に何故陥るのか、クリティカルシンキングの重要性、取り入れ方をお話できたらなと思います。
ヒューリスティック思考とは?
ヒューリスティック思考は簡単に言えば物事を深く考えず、直感的に判断することです。たとえばネットのニュースなどの情報をすぐに信じたり、
分厚い本=「きっと内容が難しい」
値段が高い=「たぶん高品質」という考えもヒューリスティック思考です。
「みんながやっているから正しいはず」というバンドワゴン効果や、「自分に都合のいい情報だけ集める」確証バイアス、
これもヒューリスティックの一種です。
1974年の論文は、人間の意思決定は完全に合理的ではなく、ヒューリスティックに頼ることを示しました。
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利用可能性ヒューリスティック: 思い出しやすい情報ほど「頻繁に起きる」と思いがち。
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アンカリングと調整: 最初に得た数値(アンカー)が、その後の判断の基準になる。
ということが示されています。
※古い論文ですが今でも支持されている内容で、古いからといって信憑性が低い訳ではない。
人は社会的な生き物なので、周りに影響を受けやすい構造を持っているのです。
何故ヒューリスティック思考に陥る?
脳の省エネ
私たちの脳は、非常にエネルギーを消費する器官です。
すべての問題を慎重に考えていたら、膨大なエネルギーと時間が必要になります。
しかも脳はまだカロリーが貴重な狩猟時代の時からほとんど変化していません。
なので「だいたい合っていればOK」という省エネ作戦を使います。
ヒューリスティック思考は、この効率性を重視するプロセスの一部であり、私たちが環境に適応して生き抜くための非常に合理的な戦略なのです。ですがその思考が勘違いや偏見を生みやすいのも事実です。
時間的プレッシャーや不確実性
現実世界では、情報が不完全だったり、すぐに決断を迫られたりする場面が多いです。
そうしたとき、細かく分析する余裕がないため、「経験則」や「直感」で判断しがちです。
たとえば、緊急時に「走って逃げる!」と即決するのは、いちいち論理的に考えていたら命に関わるからです。
経験の積み重ね
私たちは過去の経験をもとに「このパターンならこうだろう」という予測を立てることに慣れています。これは普段の生活では有効ですが、環境が変わったり、見えにくいバイアスがかかったりすると、誤った判断につながることがあります。
社会的な影響
「みんながやっているから正しいはず」というバンドワゴン効果や、「自分に都合のいい情報だけ集める」確証バイアスなども、ヒューリスティックの一種です。人は社会的動物なので、こうした影響を受けやすい構造を持っています。
進化的背景
進化心理学の観点から見ると、私たちの祖先が生き残るために、早い判断を求められる環境(たとえば、捕食者が近づいてきたときなど)で発達してきた能力だと考えられています。この「素早く判断する力」は、生存率を高める有利な適応でした。
クリティカルシンキングのメリット
騙されにくくなる
前述の通りインターネットやSNSの発達で、私たちは膨大な情報にさらされています。その中には正しいものもあれば、誤情報や偏った意見もあります。
クリティカルシンキングを使うことで、「この情報は信頼できるか?」「証拠はあるか?」と自問することで騙されにくくなります
問題解決能力が高まる
クリティカルシンキングは、物事を深く掘り下げて考える力を養います。
これにより、問題の本質を見抜いたり、複数の視点から解決策を考えたりできるようになります。
例えばスポーツでは
- 「この方法が正しいと言われてるけど、自分の場合はこの方法のほうが上手くできるな。」
- 「ずっとこの方法でやってるけど本当にこれで良いのか?」
というふうに考え直すことで上達しやすくなったり、問題を解決する能力が高まります。
個人の成長につながる
ただ受け入れるだけでなく、考え、検証することで、学びが深まり、柔軟で他人の考えに依存しない思考が身につきます。
クリティカルシンキングは「よりよい判断をし、よりよい行動を選ぶ」ための武器です。
特に今のように変化が速い社会では、このスキルがますます重要視されています。
どうすればクリティカルシンキングが身につく?
「なぜ?」と問い返す習慣を持つ
物事を受け入れる前に、「なぜそう言えるのか?」「根拠は何か?」と問いかける癖をつけます。
これはニュースやSNSの投稿、会話の中でも実践できます。
反対意見を考えてみる
何か結論を出す前に、あえて反対の立場から考えてみます。ディベートのように、異なる視点を持つことで視野が広がります。
一言でまとめると、とにかく受け身にならず問い続けることが、クリティカルシンキングを鍛える基本です。
また簡単なので言うとクリティカルシンキングに関する本を買って見るのが良いでしょう。
私が買ったのは
クリティカルシンキングを身につけて、騙されないようにしましょう!
引用元
Judgment under Uncertainty: Heuristics and Biases