仮面夫婦シリーズ
過去に夫にされた事が忘れられないまま結婚生活を続けた私の末路。そしてその途中にあった印象深い出来事などを書いたものです。
夫の虐待行為を受けていた下の子は、成長し普段は穏やかだがカッとなると暴力を振るうようになっていた。
家庭内では特に酷かった。
物を投げつけたり壁や襖を破る、ドアが外れるほどの勢いで閉める。窓ガラスを割る。そこには理性が無かった。
母親の私には手加減無しでかかってきた。顔面、体を全力で殴る蹴るだった。何週間も残るアザができた。
ただ私はやられっぱなしでは無かったのでこちらも全力でやり返した。人格否定と殴る蹴るはしなかったが、掴んで投げ飛ばした。
そして、そんな修羅場の中、やっと子は自分の気持ちや本音、理不尽な思いをした事などを泣きながら話し出すのだった。
こういった事は殆ど夫のいない時に起きた。夫に喧嘩の物音が聞かれれば子は暴力と人格否定で押さえつけられた。
だから私は夫が家にいる時は子供たちが何かしても声を出して叱るのを躊躇った。自分の叱る声のせいで子供たちに暴力が振るわれるのが耐えられなかったから。