別れは突然やってきた。

 

二男、相沢くんと同室になって毎日楽しそうだった。そして落ち着いていた。

相沢くんの好きなスポーツ選手の話を、沢山してくれた。

 

相沢くんの退院は1か月後に決まっていたが、別れは突然やってきた。

私が二男と面会している時に、相沢くんの祖母が亡くなったと連絡があり、お母さんが実家に長期で帰らないと行けないので、今日退院するとなったのだ。

 

相沢くんとはもっと話したい事や聞きたい事沢山あった。

 

退院の準備(部屋の片づけ)を一緒に二男と手伝った。

そんな時、相沢くんが二男に語り始めた。

 

お父さん「二男はおれにすごく似ている。たくさん我慢している。二男、我慢したらだめだよ。」

お父さん「二男は優しいし、大きくなったら慕われる人になれるよ。」

お父さん「二男、沢山食べて運動して体力をつけな。力をつければ強くなれるよ。元夫(二男の父親)にも勝てるよ。」

お父さん「大丈夫、二男なら、心配いらないよ」

 

二男、ポロポロと涙をこぼしていた。私も号泣だった。

 

私にも相沢くんは話してくれた。

お父さん「お母さん、元夫(二男の父親)と別れてくれて良かった。二男の傷が深くなる前に離婚して良かったよ。」

 

相沢くんは、高校卒業するまでは義父のいる家で我慢して生活すると言っていた。

卒業したら、元お父さんの所に妹もいるから行きたいとも言っていた。

 

相沢くんは義父のいる家に帰る。

二男は暴力の振るう元夫が家にいないから、すごく幸せだよと言ってくれた。

 

そう言ってくれた相沢くんのおかげで、私は離婚が一つ肯定された気分だった。

世間的に離婚はマイナスのイメージだが、相沢くん、二男は「良かったよ」言ってくれた。

 

 

 

 

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