アトムくんが うちにはいる


天井から 紐でぶらさがってて

足元には プロペラがついてる

電池式で スイッチ入れたら

ウィーンって ぐるぐる回る

右手伸ばしてて 空をとぶ アトムくん


引越しする度に つけかえてきた


これ 

昔 彼の車で 大阪に 

おでかけしたとき 買った おもちゃ



買って かえって

彼が 天井につけてくれた


くるくる回る アトムくんみて

ふたりで ゲラゲラ笑って 喜んだ記憶


いまだに

ぶら下げてる


何年ものだろうか


もう

ぐるぐる回る元気は

アトムくんには ないけど

なぜか まだ 一緒にいる


彼と 楽しかった日々を

送っていた わたしの部屋を

彼は

あの細長い部屋 という

よく 遊びにいったよなー

という


そうだよ

毎日のように 一緒にいた

夜勤のときは

夜勤前まで一緒にいて

職場まで 送ってくれてた


ずっと

一緒にいれると

あの頃は 思ってた



やっと

前向いたと 思ったら

まだまだ

過去に ひきずられる


わたしは

どうしたら 

彼に 再会する前の

前向きな 自分に 戻れるのだろう


心ごと

捨ててしまいたい