あっ、あぶない!
日なたに入っちゃうとこだった。
建物のかげをつたって行かないと。
家まではまだだいぶある。
えっ、かげがとぎれてる。
ちょっと遠回りになるけど、こっちの道行こう。
ここを過ぎればもうすこしで安全地帯だ。
ああっ、かげが行き止まりだ。
この間はつながってたのに、時間がおそいからかな。
どうしよう。
ピッ!
あっ、お父さんの車。
助かったあ。
ナイスタイミング、父!
ごめんね、太陽。
また遊んでね。
あっ、あぶない!
日なたに入っちゃうとこだった。
建物のかげをつたって行かないと。
家まではまだだいぶある。
えっ、かげがとぎれてる。
ちょっと遠回りになるけど、こっちの道行こう。
ここを過ぎればもうすこしで安全地帯だ。
ああっ、かげが行き止まりだ。
この間はつながってたのに、時間がおそいからかな。
どうしよう。
ピッ!
あっ、お父さんの車。
助かったあ。
ナイスタイミング、父!
ごめんね、太陽。
また遊んでね。
「今宵は良い月夜じゃ。」
「さようでございますね。」
「おお、あの牛車はなんじゃ! 月をふたつつけておるではないか。」
「あれは、“へつどらいと”と言う物にございます。」
絵に描いたような里山の風景。
服の内側から暖めているような
春の陽射し。
こんな朝には、最高のBGMが必要だ。
わかってる。
姿は見えないが、もう来てる。
しー。
ホーーーーーーーッ
ホケキョ〜!
朝食のパンをのせたお皿の上で
妖精が走っている。
皿の縁のあたりを
時計回りと反対に走っている。
あつ、走るのをやめた。
座り込んだ。
と、思ったら、立ち上がって
僕に向かってなんか文句を言っている。
ああ、ごめんね。
「親ゆび」がじゃまだったね。
星がひとつ消えたんだ。
生まれるときはあんなに時間がかかったのに。
死んじゃった。
山がひとつ消えたんだ。
おっきな噴火でふきとんじゃった。
あとかたもない。
何かがひとつ消えたんだ。
もうなにも残らない。
無だ。
無?
ほんとうに何も残っていない?
目には見えないけれど
確かにあるよ。
ほら。
ね。
こんなところに「女王」なんて
こんな時間に本当に現れるのだろうか
学校帰りの高校生たちは
ホームにたたずんでスマホを眺めている
電車は少し遅れているようだ
ふと、駅裏の通りを歩いて いる人と
目線がすれ違いそうになったその時
それはマンションのかげから
確かに私の目を強烈に奪い取った
夕陽に照らされピンク色に頬を染めた
南アルプスの女王
その日、
あなたの体温は
失われてしまったかもしれない。
けれど、
そのあたたかさは
空気を100億分の1あたためるだろう。
100億分の1あたたまった空気は
きっと、
地球を1兆分の1あたためるにちがいない。
そして、
わたしの体温は
9000兆分の1だけあがるんだ。