私の脳梗塞はもやもや病由来なんですが、実は息子ももやもや病で小学生の時に手術をしています。

小学二年生の時に脱力発作を起こしまして、病院に相談した所、その当時には脱力発作を起こすタイプのテンカンだと診断されました。

薬を処方されて脱力発作は落ち着いたので、てんかんで一生薬を飲み続ける事になるのだろうと思っていました。

ただ、息子は熱い物をふうふうすると脱力発作が出ることがあって、それを聞いた最初に担当だった先生からもしかすると違う病気の可能性があるかもとは言われていました。

検査をするには息子は小さかったのでもう少し大きくなったら検査をしてみましょうとは言われていました。

大きな病院だったためその先生が移動になり検査の話はうやむやに。

それが六年生の時の3人目の担当の先生がテンカンも他の病気が原因で出ることもあるから一応他の病気が無いか検査してみましょうとおっしゃってくださいまして。

で、検査をしたら青い顔をした先生が息子はもやもや病でしたと私に伝えてくれました。

ですが、もやもや病がどんな病気か全然知らなかった私はへっ?てな感じでした。

検査をしたのが夏休みで、2学期は始まって直ぐ検査入院。

九月は丸々お休みしました。

本当にいろんな検査をして、中には当時まだ日本には四台しかないと言う検査機械を使った検査もありました。

で、いろんな検査をした後に息子の状態と手術の説明を受けました。

血管造影の写真では息子の頭の中はもやもやとしたタバコの煙のようなもので覆われていました。

それは大きな血管が狭窄により詰まって足りなくなった血液を補うために目に見えるほど太くなった毛細血管でした。

これがもや血管と呼ばれるもやもや病の診断基準になるものだったのです。

それと、四台しか無い機械での検査で息子は血管の中の酸素を98%も使っていた事が判明しました。

普通は30%くらいしか使われず、残りは万が一の時のためのストックなんだとか。

そこに少しでも余裕を持たせるために手術は必要ですと説明されました。

酸素使用量がほぼ100%で余裕の全くない数値を見せられては手術をしないと言う選択肢はありませんでした。

直ぐに手術の日程が組まれました。

息子の場合は左右とももや血管で覆われていたので日を置いて2回行われる事に。

2学期は検査入院、二回の手術でほぼお休み。

息子のもやもや病は多分保育園時代に発症していてゆっくり進んできたのだろうと。

テンカンと診断されたけれど、それももやもや病の症状だったのではないかと言う事でした。

ただ、その頃だとまだもやもや病とははっきりとした診断は下されなかっただろうとの事でした。

六年生になって、ある程度手術に耐えられる体力が付いているからタイミングとしては良かったようです。

三学期になって、息子が学校から嬉しそうに帰ってきて報告してくれました。

今日ね、九九が全部言えたよと。

実は息子、九九が覚えられませんでした。

一所懸命に覚えても、一晩経つと綺麗さっぱりリセットされていたのです。

覚えても覚えても次の日には忘れている。

忘れているのではなく消えていたのですね。

脳というのは身体のありとあらゆる事に指令を出しています。

呼吸する事、食べた物を消化する事、心臓を動かす事、歩くために足を動かす事、全部が脳からの指令で動いているのです。

指令を出すのに必要なのが血液の中の酸素です。

息子は身体の機能を維持するために殆どの酸素を使っていたのでした。

手術によって少し余裕ができた事で九九を覚えることができたようです。

なんか感動でしたね。

今、息子は日常生活には何の問題もなく過ごしています。

記憶力の方も問題なしです。

息子、九九は覚えられませんでしたが、日常生活での記憶力は凄く良くて、映画やアニメの話をしていても話の内容を一挙手一投足一言一句違わずに話してくれるんですよ。

だからなぜ九九が覚えられないのか不思議でなりませんでした。

病気が分かって、血液の中の酸素の働きとかもわかって、その謎も解けましたけれどね。

日常の記憶は必要でも、九九は必要ないと脳は判断したのでしょうね。

そんな感じでもやもや病については少しばかり人より詳しかったので、最初に異常を感じて検査をした時に検査結果でここの血管に狭窄が見られますと言われた時にもやもや病の疑いありですか?と聞いたほど。

確定はできないけれど否定もできないってお返事をいただきました。

それが約四年前。

それから毎年MRIを撮って狭窄部分の確認。

それと2年に一回カテーテルの検査。

そしてとうとうこの夏から日常生活に少しばかり支障が出ていて、狭窄部分も狭窄が進んでいて、手術の流れになりました。

さて、息子の時は手術の時に丸坊主にされていたのですが、今は必要なところだけ剃るので、丸坊主にはしないのだそうです。

それを聞いた息子が、えぇ!!と大憤慨。

母ちゃんも丸坊主にしてもらいなよ!と言われてしまいました。

そりゃ、もう70近いババアだけどさ、一応は女だから、丸坊主にしないで済むならしないわよ、と反論しておきました。

先生には気の毒だったねなんて慰められていました。

自分の症状に付いておおよその見当もついていましたし、手術の流れについても息子の時にしっかり説明されていましたから、
入院手術となっても大して不安はありませんでした。

それに今は携帯一つあれば本を読む事も出来ますし、音楽を聴く事も出来ます。

本だって読むのが大変なら聴くと言う選択肢もあります。

幸い一通りのコンテンツが私の携帯の中には入っています。

この間娘のお勧めで買ったCDレコは本当にお勧めでした。

これでCDを読み込むと曲を聴きながら歌詞も見る事ができますし、なんと昔買ったCDドラマも読み込んでくれて聴けたのです。

暇を持て余すことは無さそうです。