最近、私の中で響いているのが大祓の祝詞。
気が行けば意がいく、意が行けば気が行くのごとく

私の世界ではすごいパワフルに感じる。
 

水の教え、〈自ら清くして他の汚水を洗い清め清濁併せ容るるの量あるは水なり〉

想えば、今年年初の明治神宮のおみくじも ”水” だったなあ。

 

以下、貴船神社のサイトからの引用:

 

すべての汚れ(穢)を洗う(浄める)力を持ち、自らはその清らかさを
保ち続ける。
大祓詞を宣りて祓の儀を始める。
「宣り」とは「ノリ」とよみ、一説には神が「ノリ」移って
言葉を申し上げるという意味。広い意味で祝詞(のりと)も
同じ意味がこめられている。大祓詞は、そもそも大祓式の際に「神の言葉」として参列者に対して聞かせるための祝詞だった。後に、唱える事で功徳があると考えられるようになり、ご祈祷などにおいて御神前で奏上するようになった。
大祓式の際には神職に合わせて、ぜひ声高らかに唱えていただきたい。
唱える事で罪穢を祓い、心身ともに浄化する。唱えれば唱えるほど
功徳を増す祝詞。言い換えれば「神に近づくための祝詞」ともいえる
かもしれない。
穢(=氣枯れの状態)からの脱却、すなわち氣力再生である。

 

(『大祓詞』本文は下)

 

『大祓詞』解読

 

高天原(たかまのはら ※天上の神々の国)にいらっしゃる皇祖神

(すめみおやのかみ ※親神様)の御命令によって、八百万(数多く)の

神々が一堂に集まり、幾度も議論が重ねられた。

こうした神々による会議・相談の結果、

皇御孫命(すめみまのみこと=瓊々岐命 ににぎのみこと)は

豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに=日本国)を平和で

穏やかな国として統治しなさい、とお任せになった。

しかし、豊葦原瑞穂国には、素直に従う神もいれば、

ご威光に従わず荒れ狂い暴れ回り、恭順を示さない神々もいた。

そこで、瓊々岐命はそうした神々に『なぜ従わないのか』

ということを幾度も問われたあと、それでも反抗して

従わなかった神々を徹底して討伐し、追い払われた。

こうして、荒ぶる神々だけでなく、言葉をしゃべっていた岩や樹、

一片の草にいたるまで、その言葉をやめて静かになったように

国土が平穏になったので、瓊々岐命はその玉座を発たれ、幾重にも

重なってたなびく雲を激しく千切るようにかき分け押し分け、

高天原から地上に降臨された。

瓊々岐命はこのように統治を命じられた国において、

「倭(大和)の国」を都と定められ、統治の中心地とされた。

そこで、倭の国の中心にあたる場所に、地中深く穴を掘り、

そこに宮殿の太く立派な柱をどっしりと差し立てられた。

また、屋根の上にはあたかも高天原に届くかのように

千木を大空高くそびえ立て、荘厳で立派な宮殿を

お造りになり、天照大御神の御加護を受けて、

宮殿にお入りになった。

さて、平安に治めるこの国(日本国)の、極めて優秀な国民たちが、

過って犯すであろうさまざまな罪穢、天つ罪・国つ罪など、

沢山の罪穢が現れるであろう。このように多くの罪穢が出るならば、

高天原の天照大御神が行われる天津神の神秘な儀式にならい、それと

同じやり方で、神事に使う祓物(はらいもの)・撫物(なでもの)として、

数多くの堅い木の根本と先端を切り取って適度な大きさ長さに

切りそろえて、机の上に置き、また、清らかな麻の根本と

先端のところを切りそろえて適度な長さにして、今度はそれを

八つ裂きに切り裂き散らして(祓の神事をおこない)、天津神が授けた

きわめて効力の高い、神聖で完全な祓の祝詞を唱えなさい。

 

このように祓の祝詞を唱えたならば、天津神(天上の神)は

高天原の宮殿の磐門(御門)をお開きになり、天にかかる

幾重にも重なり合った雲を御威勢で押し分けかき分けて、

その詞をお聞きくださるでしょう。

国津神(地上の神)は高い山や低い山の頂上にお上がりになって、

たちのぼる雲や霧や霞をかき払ってお聞きくださるでしょう。

このように天津神・国津神がお聞き届けくださるならば、

罪と名が付くものは一切残らず全て消え失せるだろう。

それはまさに、あたかも強い風が幾重にも重なり合った雲を

吹き飛ばす如く、朝夕の風が朝夕に立ちこめる霧を

吹き払うように、大きな港につながれている

大船の舳先(へさき・船の先端)や艫(とも・船尾)の綱が

解き放たれて大海原に押し放たれるように、見渡す限りの

繁茂した木々を、焼いて鍛えた鋭い鎌でことごとく

薙ぎ払ってしまうように、あらゆる罪を一切残らず

消え去るようにと祓い清められた。

こうして祓い清められた全ての罪は、高い山・低い山の

頂から勢いよく流れ落ちて渓流となっている急流にいらっしゃる

瀬織津比売と呼ばれる女神が大海原に持ち去ってくださるだろう。

このように瀬織津比売によって持ち出された罪を、今度は人が

近づけないほどの大海原の沖の多くの潮流が渦巻くあたりにいらっしゃる

速開津比売という勇ましい女神が、その罪をガブガブと呑み込んで

しまわれることだろう。このように速開津比売によって

呑み込まれた罪は、今度は海底にあって根の国・底の国へ

通じる門(気吹戸)を司る

気吹戸主といわれる神が根の国・底の国(黄泉の国)に

気吹によってフゥーっと息吹いて地底の国に

吹き払ってくださるだろう。このように気吹戸主によって

吹き払われた罪は、今度は根の国・底の国にいらっしゃるパワー溢れる

速佐須良比売という女神がことごとく受け取ってくださり、

どことも知れない場所へ持ち去って封じてくださるだろう。

このように、あらゆる罪穢をすっかり消滅させて浄化して

くださるならば、この世界に罪という罪は一切ありません。

このようにいたしますので、私どもが『祓え給え清め給え』

と申し上げる(祓の神事をおこなう)ことを、よくよくお聞き届けくださり、

どうかお力をお授けくださいますようにと、慎んで申し上げます。

 

『大祓詞』全文

 

高天原爾神留坐須 皇賀親神漏岐神漏美命以知氐

八百萬神等乎神集閉爾集賜比 神議里爾議賜比氐

我賀皇御孫命波 豐葦原乃水穗國乎安國登平介久

知食世登事依奉里伎

此久依奉里志國中爾荒振留神等乎婆 神問波志爾

問賜比 神掃比爾掃賜比氐 語問比志磐根樹根立

草乃片葉乎母語止米氐 天乃磐座放知天乃八重雲乎

伊頭乃千別伎爾千別伎氐天降志依奉里伎

此久依奉里志四方乃國中登 大倭日高見國乎安國登

定奉里氐 下都磐根爾宮柱太敷立氐

高天原爾千木高知里氐 皇御孫命乃瑞乃御殿仕奉里氐

天乃御蔭日乃御蔭登隱坐志氐 安國登平介久知食左牟

國中爾成出伝牟天乃益人等賀 過犯志介牟種種乃罪事波

天都罪國都罪許許太久乃罪出伝牟

此久出伝婆天都宮事以知氐 天都金木乎本打切里

末打斷知氐 千座乃置座爾置足波志氐 天都菅麻乎

本刈斷末刈切里氐 八針爾取辟伎氐

天都祝詞乃太祝詞事乎宣礼

 

此久宣良婆 天都神波天乃磐門乎押披伎氐

天乃八重雲乎伊頭乃千別伎爾千別伎氐聞食左牟

國都神波高山乃末短山乃末爾上坐志氐

高山乃伊褒理短山乃伊褒理乎搔別介氐聞食左牟

此久聞食志氐婆 罪登云布罪波在良自登

科戸乃風乃天乃八重雲乎吹放都事乃如久

朝乃御霧夕乃御霧乎 朝風夕風乃吹拂布事乃如久

大津邊爾居留大船乎 舳解放知艫解放知氐 大海原爾

押放都事乃如久 彼方乃繁木賀本乎 燒鎌乃敏鎌以知氐

打掃布事乃如久 遺留罪波在良自登 祓給比淸給布事乎

高山乃末短山乃末与里佐久那太理爾落多岐都

速川乃瀨爾坐須

瀨織津比賣登云布神 大海原爾持出伝奈牟 此久持出往奈婆

荒潮乃潮乃八百道乃八潮道乃潮乃八百會爾坐須

速開都比賣登云布神 持加加呑美氐牟

此久加加呑美氐婆 氣吹戸爾坐須

氣吹戸主登云布神 根國底國爾氣吹放知氐牟

此久氣吹伎放知氐婆 根國底國爾坐須

速佐須良比賣登云布神 持佐須良比失比氐牟

此久佐須良比失比氐婆 罪登云布罪波在良自登

祓給比淸給布事乎 天都神國都神

八百萬神等共爾 聞食世登白須