友達のソプラノ歌手Mさんが合唱で出演しているので、
フォルクスオーパーに『皇帝レクイエム』(Kaiserrequiem)を観に行きました。
 
フォルクスオーパーはウィーン国立歌劇場よりも小さめの劇場で、チケットもお手頃価格。
 
フォルクスオーパー(大衆オペラ座)という名前の通り、親しみやすい劇場です。
 

 
 
『皇帝レクイエム』は、ヴィクトル・ウルマン作曲のオペラ『アトランティスの皇帝』とモーツァルト作曲『レクイエム ニ短調 KV 626』の融合です。
 
ヴィクトル・ウルマンはホロコーストの犠牲になったユダヤ人作曲家です。
 
ナチスによる迫害のため、1943年から1944年にかけて、テレージエンシュタット強制収容所の中で彼は『アトランティスの皇帝』を作曲しました。
 
現代音楽の要素がありながらも難解過ぎず、後期ロマン派の美しさもあるように私には感じられました。
 
ソリストも上手いし、演出も衣装も舞台美術も斬新で、ウィーン国立バレエ団も素敵だった!
歌手の人たちもあの振り付けで歌えるのってすごいです!
 
終演~!
 

 
1944年10月、彼は共同台本作家であるペーター・キーンと同様に、いわゆる「芸術家輸送」によってアウシュヴィッツへ移送され、処刑されました。
 
音楽史にとっては大きな損失であり、人間の尊厳を蹂躙した残虐で悲しい歴史です。
 
このオペラでは収容所内では上演されなかったものの、生き延びた友人が持ち出した手稿を元に、現在では世界各地で上演されるようになりました。
 
その作品を平和なウィーンで観ることができて、感慨深いものがありました。
 
今もなお戦争が続いている地域があり、毎日多くの兵士や民間人が亡くなっていることに想いを馳せ、平和を祈りたいと思います。