こんばんは、ホリスティック心理カウンセラーの

春風ゆみです。

 

今日は、ガイドライン、マニュアルって何だろう?

というお話をしたいと思います。

 

私は助産師として総合病院で働いていましたが、今の医療現場では

マニュアルやガイドラインを遵守することは、とても大切なことです。

 

マニュアルとは、機械や道具の使用説明書。取扱説明書です。それ通りに

行うと作業効率がいいとされます。

また、医療でのガイドラインとは、最新の臨床研究の結果を踏まえたうえで、

その時点で最善の方法として推奨される治療法などをまとめた文書のことです。

 

病院では、このガイドラインがとても重要視されています。

それはもちろん当然のことです。

ガイドライン通りでなければ、何か医療事故が起こった場合に、

訴訟になったら負けてしまいます。

また、またガイドラインの遵守ができない病院には、いろいろな

便宜が図られないようになっているのが現状だからです。

 

けれどもある助産師さんは、ガイドラインから少し外れた人のことを

思いやってお話をされていました。

 

「1人目帝王切開の人が、2人目帝王切開になりたくなくて、自宅で夫と

2人で分娩をされたそうです。でも本当は助産師さんと産みたかった。

けれども1人目帝王切開の妊婦を受け入れるところがないのを知っていた。

だから、夫と2人で産んだ」と言われたそうです。

 

その時に、その助産師さんは、「なんてせつないのだろうか?」と感じたそうです。

「ガイドラインとは何だろうと思った」と、言われていました。

ガイドラインがあるために、その妊婦が自然分娩したいということを

受け入れない社会。(実際は帝王切開後の普通分娩を受け入れている

病院はありますが)

ガイドラインが医療者を守るだけのツールになっていると感じたそうです。

 

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)という

概念があります。

1994年にカイロで開かれた国際人口開発会議において、提唱された概念です。

内容は、

性や子供を産むことに関わるすべてにおいて、身体的にも精神的にも社会的にも

良好な状態であること(リプロダクティブ・ヘルス)と、自分の意思が尊重され、

自分の身体に関することを自分で決められる権利(リプロダクティブ・ライツ)。

 

ある助産師さんは、このように概念を文章化したりはしているけれど、

現場では人権が守られていないことがあると言われていました。

 

今、現場では、ガイドラインピッタリの人のための仕事をしようとしていると

言われていました。

 

私は、ガイドラインは大切なものであると思うのです。

その上でガイドラインから

外れる人に対して、どうするかをこれからは考えていくことも大切だと思いました。

 

ガイドラインピッタリの人のためにしか仕事をしないということは、

条件付きで仕事をするということです。

 

人は、人それぞれ、個性があります。

その体も人それぞれです。

その中で行われる医療です。

 

人を条件づきで判断するということは、

多様性を認めることではなくなるからです。

 

「帝王切開になったので、普通に産んであげられなかったことで、

罪悪感を感じています」という悩み相談を見たことがあります。

普通分娩をしたいと思っていても帝王切開になることがあります。

けれども、どちらが良くて、どちらが悪いというわけではないのです。

 

妊婦さん自身が自分のお産に意味を見出し、

どこにいても、どこでお産をしても、自分らしいお産ができたと思うことが

大切であると思います。

 

 

その助産師さんは、

「世の中には思い通りにならないことがたくさんある。それを共有することが

大切。苦しみを残してはだめ」と言われていました。

 

 

マニュアルやガイドラインは大切なものである。でも反対からの見方もある。

全てには、反対側からの見方もあるのです。

そしてガイドラインでは、基準値以内かどうか、

白か黒かがはっきりしているけれど、

私たちが生きている世界は、

白か黒かではないものが存在している。

そのような見方があるということを知っていることが大事だと思いました。

 

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