ずいぶん前からスムージーが流行っていますが、今もまだ人気はあり、
栄養指導をしていても、朝はスムージーだけ、という方もいらっしゃいます。
確かに野菜や果物などのフレッシュな栄養素を手軽に摂ることができるということで、
取り組みやすいのですが、注意が必要です。
スムージーを飲むのは、あっという間ですね。
そもそも、人には歯というものがあります。
前歯、犬歯、臼歯と別れており、それらにはそれぞれの働きがあります。
前歯は刻み、犬歯は引き裂き、臼歯はすりつぶす働きをしますが、
スムージーはそれらの働きをすっ飛ばして胃へダイレクトに流し込まれます。
噛むという行為をすることで、細かく砕く、すりつぶされていくだけでなく、
唾液と混ぜ合わせる作業も行われます。これが大切なのです。
唾液と混ざり合った口内の食べ物は、胃へ移動しますが、しっかりと噛まれた食べ物は
胃腸の負担が少なく、腸内環境が悪化しません。
逆にあまり噛まないで胃腸へ移動した食べ物は、悪玉菌の餌となり、
悪玉菌の菌糸が腸壁を傷つけ穴を開け、リーキーガット(腸漏れ)の原因にもなります。
リーキーガットの影響についてはまた後日お話ししますが、
様々な原因不明の体調不良がリーキーガットが影響しているとも言われていますので、
リーキーガットを防ぐためにも、まずはしっかり良く噛んで食べることを意識してみてはいかがでしょうか。
なので、良く噛んで食べられない、胃に直接流し込まれるスムージーはあまりお勧めしていない理由はそこにあります。
飲まれる際は、良く噛んで(笑)飲んでくださいね。
また、液体のもので栄養素は満たされていても、胃腸を動かさないということは、
胃腸を怠けさせることにもつながります。
胃腸が固形物をきちんと蠕動運動をし、消化吸収をするという作業をしないと、
そのためのエネルギーを使わない、ということにもなります。
固形物を食べることは、消化吸収のエネルギーを消費する、
ということも意識すると良いですね。
しっかりと、口の中で歯を使って粒食を良く噛んで食べること、口の運動、唾液を出す訓練、
そして、胃腸が運動している、と思うと、身体の一つ一つが無駄なものがないということに。
身体のすべてがいとおしく感じますね。
では、まだまだ暑い日が続きますが、しっかり食べられることが元気の秘訣、
食べられることに感謝していきたいですね。