モンテネグロのダム建設 衝撃を受けたパタゴニアのクリーネストライン① | モンテネグロな生活

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モンテネグロっていったいどこ?
主人の赴任が決まってから地図を広げてみた私が、来てみて初めて知るモンテネグロという国を日々の生活を通してお伝えします

さて、以前2回にわたり、再生可能エネルギーとして注目されているモンテネグロのダム建設計画について書いてきました。











そしてモンテネグロのダム建設を紹介してきた私にとって衝撃的な内容のInstagramの投稿を見つけた話を前回書きました。

それはバルカンの原生河川を守るためにダム建設に反対している人々のドキュメントについてでした。





そのInstagramはアウトドア用品、衣料品のメーカー「パタゴニア」が支援している、

「セーブ・ザ・ブルー・ハート・オブ・ヨーロッパ」キャンペーン

についてのものでした。


バルカンの原生河川を守るために活動している人々のドキュメントの上映会をパタゴニアが主催してます。


そして今回ぜひご紹介したいのは、

「パタゴニア」の「クリーネストライン」というサイトです。

これは「パタゴニア」が自社製品やスポーツ、そして環境問題について、様々な国の様々な分野で、様々な立場の人々が見解を寄稿しているブログです。


URLを載せるのは控えさせていただきますが、

「クリーネストライン  パタゴニア」

で、ヒットしてきます。



その中でも「パタゴニア」の創設者、
イヴォン・シュイナード氏の

「ダムの真実を明かす」

というブログにもまた衝撃を受けました。


私は知らずにいました。


水力発電やダムが、必ずしもクリーンで環境に優しいエネルギー供給の手段ではないこと。

私は、水力発電事業は脱炭素化を目指すこれからの時代、再生可能エネルギーとして注目すべきだと思っていました。

モンテネグロは自然豊かな国であり多数の河川を有するので、豊富な水資源を有効活用できるだろうと思っていました。

しかし、シェイナード氏はこう述べています。

「ダムは汚い」と。

この言葉もまた衝撃的でした。

汚いって、どういうこと〜!!!!


ダムが汚いという理由の一つは

ダムによって出来た貯水池からはメタンガスが排出されているということ。

ダムは表面積が狭く水深が深いというメタンガスが発生しやすい構造となっており、また沈んだ樹木や草が分解され科学反応を起こしメタンガスを発生させていることもあるそう。

メタンガスは地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの1つですが、温室効果は二酸化炭素の10倍、いや30倍だとも言われています。


今年の異常な暑さ、想定外の豪雨、諸説ありますが、やはり進行しつつある地球温暖化による影響なのではないでしょうか?

地球温暖化の原因と言われているのが温室効果ガスの排出量の増大による濃度の上昇です。

地球環境を考えたクリーンエネルギーとしてのダムが、温室効果ガスを排出しているようでは本末転倒ですね。 

2016年のパリ協定に伴い、世界的に脱炭素化へ、そして再生可能エネルギーを積極的に活用して温室効果ガスの排出量を減らしていき、最終的には実質ゼロにしようとしています。

日本も「エネルギーミックス」政策を打ち出し、再生可能エネルギーや水素エネルギーを積極的に導入しようとしています。


この世界的なエネルギー転換期において注目されている水力発電、ダム建設、よくよく考えていかなければならないと思いました。

また、「ダムの真実を明かす」を読むと、莫大な費用、犠牲を払ってまでダムを建設する有用性はあるのか?と思えてきます。



ダム建設で河川をせき止めることで生態系に及ぼす影響、周辺住民が強制立ち退きにより住み慣れた故郷を追われる理不尽さなどの悪影響を考えた時、ダムは本当に必要だろうか?と疑問に思ったりします。

ダム建設には多額の費用がかかり、周辺の自然や生物、人々に与える影響やダメージは甚大なので、自然エネルギーとしては他に風力、太陽光などを利用した方が良い、というのがシェイナード氏の考えのようです。

投稿には水力発電やダムがなぜダメなのかが詳しく書かれています。

興味のある方はぜひご覧になってください。

「クリーネストライン  パタゴニア  ダムの真実を明かす」で検索してみてください。


パタゴニアはバルカンのダム建設反対の活動家達を支援し、自然環境保護への活動に力を入れています。

これからの企業は、収益の拡大を目指して行く上で、地球に優しい企業でなくてはなりません。

近年普及しつつある、「ESG(環境、社会、ガバナンス)活動、投資」の分野では先がけと言われるパタゴニア。

今回ご紹介した「クリーネストライン」で「ダムの真実を明かす」を投稿しているパタゴニアの創設者イヴォン・シュイナード氏は、もともとはロッククライマーであり、登山家であり鍛治職人でした。

パタゴニアはもとは彼が愛する山登りの道具を作るために設立した会社がきっかけで誕生しました。

自然を愛するシェイナード氏は、地球環境の変化を目の当たりにし、何かをしなければ、という気持ちに駆り立てられ、自分たちのビジネスを環境保護のツールとして使っていこうという決意をします。

ビジネスで得た利益を自然環境保護に役立てる、そんな取り組みは多くの賛同者を得て、2016年には売り上げは当初の予想の5倍の11億円となったそうです。

パタゴニアのESG活動、これからも見守りたいですし、ESG投資とまではいきませんが、パタゴニアの商品を購入できればなぁと思います。


ちなみに、私もパタゴニアにはちょっとした思い出が。


学生時代、40日近くかけて友達と2人でカナダを横断したことがあります。


2月に入ってからで寒い時期だったので、ダウンジャケットを着て行きましたが、オタワからモントリオールへ長距離バスで移動した際に、座席の肘掛けに引っ掛けてポケット付近から破ってしまいました。

モントリオールに着いてバスを降りる際に、風でダウンがふわふわと飛んで、他の乗客から「ダウンが飛んでるよ」と言われて気づきました。

待合室で裁縫セットを出して縫い合わせて応急処置をしましたが、




(友達が写真撮っていてくれて、すごく良い思い出です。)


まだ先は長かったのでモントリオールのアウトドア用品店で購入することに。

そこで購入したのが、パタゴニアのジャケットでした。

まだ大事に保管してある旅のノートを見ると、






2/12  パタゴニアのジャケット  320カナダ$

と書いてありました。1カナダ$が86円ぐらいだったので27000円ぐらい?
値段からしてダウンのジャケットではありませんが、旅行途中では痛い出費でした。

でも、パタゴニア、なかなか日本では買えなかったので、破れたから仕方ない!!!!と思い切って買っちゃったのを覚えてます。

ちなみにこちら↓




場所はバンクーバー郊外のキャピラノマウンテンブリッジという長〜い吊り橋です。




こうやって見るとすごい長くて怖いですよね。 

パタゴニアのジャケット、結構かさばるので今は出番なしでタンスの中ですが、でもまだ捨てれない思い出の品です。