私の声に上地さんは振り返った。

「何だ?」

どうしよう…、呼び止めちゃったよ…。

こうなったら私も告白するしかないよね…。

「どうした?吉野。」
上地さんが近づいてくる…。

私は心を決めた。
「あの…、私もお話が…。」

「話?」

上地さんが私の目の前に立った。

心臓が飛び出しそう…。


「あの…、上地さん私の事が好きだって言ってくれましたよね?」

「ああ。」

「それなのに忘れてくれって言われても私…、そんな事…出来ません。」

「どうしてだ?さっさと忘れてくれたらいいんだ。」

「出来ません。…だって…、私も上地さんの事が好きなんですから…。」

…言っちゃった…。

「吉野…。」
上地さんが驚いた顔で私を見る。


「ずっと好きでした…。上地さんの事…。」

上地さんを見上げながら私は繰り返した。

次の瞬間私は上地さんの腕の中にいた。

「本当に…本当なんだな?ありがとう、吉野…。」

「上地さん…。」

私はそっと上地さんの背中に腕をまわした。


上地さんに抱きしめられてるなんて夢みたいって思いながら…。

―つづく―