上地さんの事が好き…。
その思いは胸の奥に秘めたまま私は普段と変わらない態度でいるように心がけていた。
補佐に好きだなんて言われたら上地さんも仕事がやりにくくなっちゃうから…。
時折見せてくれる上地さんの優しさに密かに喜んだりしながら毎日過ごしていた。
でも…、外回りの時、つい考え事をしながら歩いていて…。
交差点まで来てたのに気づかずに、「吉野!」って名前を呼ばれるまで歩き続けていた私はふいに腕を引っ張られて我に返った。
すぐ目の前に上地さんの顔がある…。
「お前…、何ボーっと歩いてんだよ!?死ぬ気か!?」
目の前を車が走り抜けて行く…。
「あ…、すみません。」
顔がみるみる赤くなる…。
どうしよう…。
目がそらせない…。
そこでようやく上地さんが腕を緩めてくれて…、後ろにまわりながら小声で
「すみません…。」って言うと
「ちゃんと周りを見て歩け。」
前を向いたまま言われた。
恥ずかしい…。
でも…、上地さんに気づかれてないよね?
もっとしっかりしなきゃ…。
私は懸命に自分に言い聞かせていた。
―つづく―
その思いは胸の奥に秘めたまま私は普段と変わらない態度でいるように心がけていた。
補佐に好きだなんて言われたら上地さんも仕事がやりにくくなっちゃうから…。
時折見せてくれる上地さんの優しさに密かに喜んだりしながら毎日過ごしていた。
でも…、外回りの時、つい考え事をしながら歩いていて…。
交差点まで来てたのに気づかずに、「吉野!」って名前を呼ばれるまで歩き続けていた私はふいに腕を引っ張られて我に返った。
すぐ目の前に上地さんの顔がある…。
「お前…、何ボーっと歩いてんだよ!?死ぬ気か!?」
目の前を車が走り抜けて行く…。
「あ…、すみません。」
顔がみるみる赤くなる…。
どうしよう…。
目がそらせない…。
そこでようやく上地さんが腕を緩めてくれて…、後ろにまわりながら小声で
「すみません…。」って言うと
「ちゃんと周りを見て歩け。」
前を向いたまま言われた。
恥ずかしい…。
でも…、上地さんに気づかれてないよね?
もっとしっかりしなきゃ…。
私は懸命に自分に言い聞かせていた。
―つづく―