昨日の続きやろうかと思ったけど、本を病院内の遠い部屋に置いて来たので、今できることを・・・



一番気になることやろうかな。

フイルムリーディングでおおいに間違った疾患を復習。

①Intradiploic Arachnoid Cyst

後頭骨のくも膜嚢胞

私はまずこのくも膜嚢胞の立ち位置がよくわからない。


脳腫瘍のWHO分類いってみよー☆

1  astrocytic tumors   星細胞系腫瘍
2  oligodendroglial tumors   乏突起膠細胞系腫瘍
3  oligoastrocytic tumors   乏突起星細胞系腫瘍
4  ependymal tumors   上衣系腫瘍
5  choroid plexus tumors   脈絡叢腫瘍
6  other neuroepithelial tumor その他の神経上皮性腫瘍
7  neuronal and mixed neuronal-glial tumors
   神経および混合性神経-グリア腫瘍
8  tumors of the pineal region 松果体部の腫瘍
9  embryonal tumors   胎児性腫瘍
10 tumors of cranial and paraspinal nerves
   脳神経および傍脊髄の腫瘍
11 meningeal tumors      髄膜腫瘍
12 tumors of the haematopoietic system
   造血系腫瘍
13 germ cell tumors       胚細胞腫
14 tumors of the seller region   トルコ鞍部の腫瘍
15 familial tumor syndromes involving the nerve system
   神経系を侵す家族性腫瘍症候群
16 metastatic tumors       転移性脳腫瘍


書いてみて思ったけど、脳神経系の腫瘍の分類って節操ないですね。
解剖学的でもないしー発生細胞に由来するわけでもないしー。

カオス!!!ばいちゃん

残念なことに、今回の症例は上記の分類に入れなかった端くれものである・・・

$好きなことしていたい

めんどくさくなったので、添付w


ここで、外科病理学をチラ見。

くも膜嚢胞はSylvius溝が好発部位で,そのほか大槽,小脳橋角部,四丘体,鞍上部などにも出現す
る。脳表面に発生する単房性の嚢胞で,嚢胞壁は薄いくも膜からなり,内腔に脳脊髄液を入れている。ゆっくりと増大し,周囲の脳実質を圧迫する。原発性のものが多いが,くも膜の炎症,出血,
腫瘍,外傷,手術などに続発するものもある。

ほうほう、そしてもっとわかりやすい説明をネットで見つけた。

くも膜嚢胞とは、正常の髄液通路から隔離された髄液の局所的な貯留腔で、その壁がくも膜で形成されたものである。
頭蓋内では脳表のくも膜下腔に発生し、その中でも殆どが脳槽に関連して発生する。全頭蓋内腫瘤の約1%を占める。
 先天性と続発性(外傷後、手術後、くも膜下出血後、新生児期の中枢神経系感染症)に分けられる。ただし、外傷等によりくも膜癒着が起こり、くも膜下腔が袋状になっている場合、軟膜嚢胞l eptomeningeal cysts と区別することもある。
 シルビウス裂に発生することが最も多く(全体の約50%)、鞍上部、大脳半球外側表面及び半球間、四丘体槽、小脳背面、小脳橋角部にもそれぞれ5~10%の頻度で発生する。主に若年者、小児に好発する(男児、左方に多い)。


で、次にくも膜ってどういう構造してたっけ・・・ってなる。


$好きなことしていたい

ほうほう、このつぶつぶっとしたやつね。

解剖の本で昔見た気がするぞ。


軟膜嚢胞というのもあるので、その鑑別は最終的には病理になるのかな。


嚢胞を裏打ちしている細胞が色々で


くも膜細胞であればくも膜嚢胞

外胚葉由来の重層扁平上皮だと類上皮嚢胞

重層扁平上皮と皮膚付属器になると類皮嚢胞

上衣細胞だと膠上衣性嚢胞

内胚葉由来の細胞だと、コロイド嚢胞

松果体の迷入細胞だと松果体嚢胞



このくだり、へぇボタン連打w

先天的に迷入しちゃうけい、外胚葉がのこっちゃうけい、内胚葉が居座るけい

うーん、病気って面白い。



きっと血管の密度とかは正常と同じ程度なんで、造影の具合でこの嚢胞たちを鑑別するのは難しいんじゃないのかな・・・?

重層扁平上皮での裏打ちだと嚢胞壁は分厚くなりそうだし、単房性の発育になりそう。

だって堅そうじゃんw

くも膜細胞や立方上皮などのへろへろ系の細胞は柔らかいので、大きくなると多房になりそう。

迷入する系は嚢胞内が水っぽくなさそう。



あくまで勝手なイメージですが・・・・。

いつか専門の先生に聞いてみよう。



さて、そのくも膜嚢胞の画像ですが(やっときたー)


特徴としてはT2WI で高信号 T1WIで低信号 FLAIRで低信号だそうです。

そりゃそーだわな。

脳脊髄液と同信号を示すのも大事な所見なんだって。へー。

この症例は骨破壊像もあったので、難しかったのかも。

たしかにでもDWIはどっこも光ってなかった。



う~む。

脳神経系難しいなー。

意識して勉強していかないと・・・。