「三輪」
ー金剛流の演目よりご紹介ー
三輪山登拝の入り口
さて、今月も『三輪』です。
能楽関係者は、よく演目に謂れのある土地に足を運んでいます。今までは時間が取れず叶いませんでしたが、5月後半に大津でお稽古会があったので、奈良にある三輪山に行ってまいりました。
ロケハン第一弾始まり始まり。
行きは
近鉄急行で京都駅ー八木西口駅
歩いてJR万葉まほろば線畝傍駅ー三輪駅
とまいりました。
三輪駅を降りると小雨で人もまばらながら、みなさん我先にとお詣りに向かってビックリ。
雨の後で、空気がより清々しく感じました。段々と大神神社が見えてきました。
この森一帯にたくさんの神社が点在しています。
「三輪」の演目に関係ある場所を高速で回りました。
(先ずは)大神神社 → 衣掛杉(玄賓の衣が掛かっていたという杉) → 狭井神社 → 三輪山登拝 → 玄賓庵
という順路でこの日に東京まで帰ることを目標としました。
大神神社
三輪山登拝のご案内
三輪山に登拝するためには、山への入り口がある狭井神社で入山の手順を踏んでいきます。御幣でお祓いをし参拝証の襷を掛け、入山料をお支払いし、丁寧な説明・登拝の心構えのお話をいただきました。御神体に上がらせていただくわけですので、水分補給以外の飲食は禁止されていますし、写真撮影も禁止。ただただ細い一本道を上って参りました。心が洗われる想いで登らせていただきました。かなりしっかり二時間強、登山でした。
下山し汗を拭うと、次は玄賓庵へ向かいます。狭井神社から山辺の道を延々と歩いて、歩いても歩いても誰にも会わず何も見えてきませんでしたが30分ほど歩くとやっと玄賓庵が見えてきました。
玄賓庵
玄賓庵では、しばし物思いにふけって、これからのお稽古方針など静かに考えて、誰もいなかったので「三輪」を謡って帰ってまいりました。