「息を吐くときこそお腹を張る」

ー日頃のお稽古に取り入れていることをお伝えしますー
 

 リラックスしたい時、深呼吸すると身体が楽になりますよね。
まず、息をくーーーっと吸う。そして吐く時はどんなことに気をつけていますか?細く長くとか?一気にとか?どうでしょうか。
意識してみると普段気づいていないことも多いかと思います。
 
 私はというと、つい数年前まで息を吐く時にお腹を引っ込めていました。
能楽のうた「謡(うたい)」は、芯のしっかりした声を出し続けなければいけません。お腹を引っ込めた方が息を完全に吐き出せて、たくさん息が吸えるに違いないと思ったのです。

 ところがある時、姉弟子に「もっとお腹に力を入れて吐き出して」と言われ実践してみたところ、力を入れた方が発声が保ち、より身体が安定しやすいことに気付きました。

 調べてみると、これは腹圧というもののおかげで、身体の上半身にある横隔膜などの筋肉を収縮させることによって上半身の圧力を高められるとのこと。
スポーツ選手なども、腹圧を高めて呼吸し、体幹を鍛えているといいます。

 みなさんも深呼吸の時は、お腹を膨らませながらゆっくり吸って、そしてお腹を膨らませながら吐いてみてください。より息が安定して息が長くなるだけでなく、姿勢が安定していきます。
 身体も柔らかくなるので、是非、試してみてください!