姫井由美子

姫井由美子


農林水産委員会で今年度の畜産物価格の決定について質問しました。関連質問として、食品リサイクルの問題や牧場経営、森林の相続登記などについても聞きました。
委員会の様子は下記の参議院ビデオライブラリからご覧いただけます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/consider.php

質問の原稿です
民主党の姫井由美子と申します。農林水産委員会で初めて質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

鳥インフルエンザ
1. 質問に先立ちまして、鳥インフルエンザにつきまして、一言申し上げます。一昨年の平成19年には、私の選挙区の岡山県で鳥インフルエンザが発生いたしました。このときは、1月26日に鶏が17羽死亡しましたが、関係各位のご努力によりまして、移動制限区域及び搬出制限区域は3月1日に解除されました。先ごろ愛知県でも高病原性鳥インフルエンザが発生しましたが、農林水産省には適切な対応をお願いしたいと思います。

酪農・畜産の将来ビジョン
2. 明日、政府の畜産物価格が決まるに当たりまして、まず石破大臣は畜産・酪農に対して、どのようなビジョンをお持ちなのかお伺いしたいと思います。

3.石破大臣は昨年11月の本委員会で「食品の安全と消費者の信頼の確保」というが第一の目標であると言われています。しかし、例えば米国産牛肉では、昨年1年間で輸入が認められていない部位の混入事件が6件も発生するなど、いまだ消費者の信頼確保というには道のりは遠いという感があります。畜産も含めて、この食品の安全と消費者の信頼の確保についての石破大臣の考え方を伺いたいと思います。

4. 2月11日に民主党の農林水産部門は、岩手県久慈市に行き、短角牛の飼育を視察してまいりました。赤身でたいへん美味しいお肉でしたが、この短角牛は100%国産飼料で飼育されています。平成19年の飼料自給率が25%で、平成15年からわずか1%しか上昇していませんが、農水省は平成27年に35%まで飼料自給率を上げる目標を立てています。この短角牛のような取り組みはたいへん参考になると思います。
健康志向の面からも短角牛のような脂肪交雑の少ない赤身の肉の生産振興を図って、牛肉の消費拡大を図るという方向性もあるかと思いますが、牛肉の消費拡大のための農林水産省の取り組みについて伺います。
また生乳の生産者団体は、乳業メーカーとの間でこの3月から飲用牛乳向け乳価の10円引き上げを合意しました。今回の値上げで、牛乳の消費がさらに減ることが懸念されますが、牛乳の消費拡大に向けた農林水産省の取り組みについても伺います。

団体営草地開発整備事業
5. 牛乳の消費拡大の取り組みについて伺いましたが、今まで我が国は牛乳の消費拡大に向けて、酪農家に対して様々な支援をしてきました。その一つに「草地開発整備事業」があります。農林水産省が平成15年度まで実施していた団体営草地開発整備事業は、畜産経営の合理化を図るため、草地の造成改良、既耕地の飼料基盤としての整備改良、野草資源の有効利用を図るための施設整備などを行うもので、未墾地等を所有している者などの申請に基づいて、国庫補助事業により地方公共団体、農業協同組合などの団体が事業主体となって実施していたものです。この事業は、会計検査院の昭和56年度の決算検査報告によると、国営、都道府県営を含めた全草地開発事業の面積全体の約90%、事業費全体の約80%と高い比率を占めていたものです。しかし、その決算検査報告によりますと、開発された草地が目的に沿って利用されずに荒廃していたり、目的外に使用されていたりして、事業効果の発現が十分でないと認められるものが相当数あるようです。岡山県の旧御津町では、昭和44年から48年にかけて4名の方が入植されましたが、うち現在でも牧場経営を継続されているのは1名のみで、他の3名は牧場を止められて土地を転売され、そこに廃棄物処分場を建設する計画が浮上しています。処分場が建設されると、現在も残って牧場経営されている方も、景観や風評被害などで経営が困難になって、牧場を止めざるを得ないかも知れないということです。牧場のために森林を切り開いて整備したが故に、牧場を止めた後その土地が譲渡されてからの処分場の建設が可能になったとも言える訳です。草地開発をした後、その後の譲渡や使用方法について規制をかける方法はなかったのでしょうか。いったん入植した人が廃業した後のことについて、このような不都合が起こらないよう国として何らかの方策を取ることができたのではないかと思います。大臣に責任を取れと言っているのではありませんが、ただ開発を促した農水省として、責任をお感じにならないでしょうか。 何らかの対応を考えてくださいますよう、お願いします。

飼料配給・エコフィード
6. 一昨年稼働したばかりの千葉県佐倉市のアグリガイアシステムの飼料化センターは、農水省の補助金が、平成17年から19年まで15億8千万円投入されている施設です。私は、この飼料化センターに視察に行ってまいりました。セブンイレブンのお弁当など、まだ賞味期限が切れたばかりで食べることに支障がないと思われるお弁当が飼料にリサイクルされていましたが、添加物が含まれていて家畜に与えることもできないとセンターの方から伺いました。
せっかく作った食べ物を無駄にしないということからも当然ですし、飼料化しても実際に飼料として使えないならコンビニ弁当はなるべく売り切った方がいいわけです。また、公正取引委員会がセブンイレブンに調査に入ったという報道が先日ありましたが、加盟店の見切り販売を不当に制限するということは、優越的地位の乱用として独占禁止法違反ともなる訳です。
そこで、まず公正取引委員会に、見切り販売に対する不当な規制など、コンビニチェーンのフランチャイズ本部と加盟店の間のどのような取引が独占禁止法違反となるのかについて伺います。
また石破大臣は、コンビニ弁当が飼料化しても実際に飼料として使えない現状を、エコフィードという点からどのようにお考えでしょうか。

司法書士との連携事業
7. 林野庁の施業集約化・供給情報集積事業の一環として、森林組合と司法書士との連携によって森林の相続登記を進め、森林の手入れを促進するという施策が昨年より始まっています。不在村者などが山林を相続した時に、司法書士に相談し、位置確認などが困難な時に森林組合が境界測量などをしてバックアップするというもので、相続人は森林組合に施業を委託して山林の手入れを進めるというのが目的です。森林整備は二酸化炭素削減に効果があるということで、この施策に対して平成20年度も平成21年度も2100万円の予算が計上され、啓発のためのポスターやパンフレットを作っているということです。しかし、本格的に森林整備を進めようと思えば、いろいろ他に有効な方法もあると思います。たとえば「入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律」には、第14条に都道府県知事は、入会林野整備計画の認可の公告をした場合には、必要があるときは、所有者に代わって、関係のある土地の分割又は合併の手続をすることができ、また必要な登記を嘱託しなければならない、と定められていて、都道府県知事による登記の嘱託という他に例を見ない制度を採用しています。また登録免許税についても減免措置がとられています。森林整備を本気で進めようと考えれば、このような画期的な政策も考えてよいのではないでしょうか。