北陸地域における中心市街地活性化等に向けた取組及び原子力に関する実情調査のため、去る七月三日及び四日の二日間にわたって行われた委員派遣について御報告申し上げます。
派遣は、山根委員長、増子理事、藤末理事、加納理事、下田委員、中谷委員、姫井委員、藤原委員、荻原委員、山本委員、松下委員及び私、鈴木の十二名により行われました。
派遣初日の七月三日には、まず、富山市を視察しました。同市は中心市街地活性化法における最初の基本計画認定都市であり、LRT、ライトレールを利用するなどしたコンパクトなまちづくりを基本理念に掲げ、公共交通の利便性の向上、賑わい拠点の創出及びまちなか居住の推進を計画の三本柱に種々の事業に取り組んでおり、人口の高齢化を控える地方都市におけるまちづくりのモデルとして他の自治体等からも高く評価されております。本視察におきましては、富山市の中心市街地活性化に向けて強力なリーダーシップを発揮されている森雅志市長自らその取組について御説明いただくとともに、活性化事業のシンボル的存在であるライトレールへの試乗、また、歴史的町並みを生かしたまちづくりを進める岩瀬地区や賑わい拠点創出事業のランドマークである総曲輪グランドプラザを視察しました。
次に、富山市内において、富山県漁業協同組合連合会を訪問しました。同漁連では、富山県の水産業の現状についての説明及びさきの国会で成立した農商工連携促進法に関連して本年四月に農林水産省と経済産業省が選定した農商工連携八十八選に選ばれたゲンゲという深海魚を使った栄養補助食品の開発についての説明に加えて、原油価格高騰の漁業への影響についての説明を聴取しました。漁連からは、原油価格の高騰が漁業に与える影響は極めて深刻であり、原油価格高騰を抑えるための抜本的施策や燃油購入に際しての直接的な補てん措置の必要性等について要望がなされました。これに対して、派遣委員からは、この問題が緊急に取り組む課題であることは委員全員の共通した認識であること、また、できるだけ多くの漁業関係者が補助制度を利用できるよう運用改善に努めていく旨回答いたしました。
次に、富山市内において財団法人富山県新世紀産業機構を訪問しました。同機構は、富山オリジナルの創薬による新産業の創造を目指した知的クラスター創成事業であるとやま医薬バイオクラスターの中核機関であります。当該クラスター事業における研究開発では、第Ⅰ期事業が終了した本年三月末までに、特許出願百二件、うち二十二件の特許が成立し、その中でも世界に先駆けて開発された細胞チップは、免疫機能を活用した診断、治療システムに画期的な進歩をもたらすものとして期待されております。同チップの事業化を担うために設立されたエスシーワールド株式会社の末岡社長からは、創業に当たっては数多くの困難があったが、資金面では経済産業省が創設したベンチャー企業支援施策を有効に活用することができた旨のお話がありました。
次に、石川県に入りまして、河北郡津幡町の株式会社オハラを視察しました。同社は、元々コンニャクの製造、販売を業としていましたが、売上げの落ちる夏場の収益確保のために始めた地元農産物を使ったプリン等の菓子作りに大手コンビニのサークルKサンクスが協力し、流通規格外となった食材の再生や地産地消の推進を進めているところであります。なお、このような同社の取組は、本年四月に農林水産省及び経済産業省が選定した農商工連携八十八選に選ばれております。同社の小原社長からは、これまでの取組について機知に富んだお話と、農商工連携に必要なことは農産物の生産とその販売を結び付けるアイデアであり、決して大きな設備投資が必要とされるものではないとの貴重な御意見を伺うことができました。
翌四日には、敦賀市にある高速増殖原型炉「もんじゅ」及びその関連施設を視察しました。「もんじゅ」は、我が国のエネルギー安定供給に大きく貢献するとされる高速増殖炉サイクル研究開発の中核であり、地球環境への負荷軽減の観点からも大変重要とされ、早期実用化に向けた取組が世界的にも期待されているところであります。本視察におきましては、一九九五年のナトリウム漏れ事故の詳しい状況や運転再開に向けた安全確保に対する取組等に関し説明を聴取するとともに、ナトリウム燃焼実験、中央制御室、運転訓練用シミュレータ等を実際に視察しました。また、本年三月にはナトリウム漏えい警報の誤発報と地元への通報の遅れという事態が発生しており、その原因や対策についても説明を聴取しました。
私どもとしましては、今回の派遣を通じまして、北陸地域に住む方々のまちづくりや地域活性化に対する活力、熱意を強く感じることができたと同時に、昨今の原油高騰の影響が北陸地域の産業に大変深刻な影響を与えていることを踏まえ、今後も地域経済の活性化を図るために適切な経済産業政策を迅速かつ強力に推進していく必要があることを強く認識した次第であります。
また、「もんじゅ」の再開に向けた関係者のひとしおならぬ努力を拝見し、地域住民の安全を第一に考え、環境に優しいエネルギー施策を推進していく必要性についても強く認識した次第であります。
最後に、今回の派遣に御協力をいただきました富山県、石川県及び福井県の皆様には、御多忙中の中、貴重な時間を割いていただき大変お世話になりました。この機会をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。
派遣は、山根委員長、増子理事、藤末理事、加納理事、下田委員、中谷委員、姫井委員、藤原委員、荻原委員、山本委員、松下委員及び私、鈴木の十二名により行われました。
派遣初日の七月三日には、まず、富山市を視察しました。同市は中心市街地活性化法における最初の基本計画認定都市であり、LRT、ライトレールを利用するなどしたコンパクトなまちづくりを基本理念に掲げ、公共交通の利便性の向上、賑わい拠点の創出及びまちなか居住の推進を計画の三本柱に種々の事業に取り組んでおり、人口の高齢化を控える地方都市におけるまちづくりのモデルとして他の自治体等からも高く評価されております。本視察におきましては、富山市の中心市街地活性化に向けて強力なリーダーシップを発揮されている森雅志市長自らその取組について御説明いただくとともに、活性化事業のシンボル的存在であるライトレールへの試乗、また、歴史的町並みを生かしたまちづくりを進める岩瀬地区や賑わい拠点創出事業のランドマークである総曲輪グランドプラザを視察しました。
次に、富山市内において、富山県漁業協同組合連合会を訪問しました。同漁連では、富山県の水産業の現状についての説明及びさきの国会で成立した農商工連携促進法に関連して本年四月に農林水産省と経済産業省が選定した農商工連携八十八選に選ばれたゲンゲという深海魚を使った栄養補助食品の開発についての説明に加えて、原油価格高騰の漁業への影響についての説明を聴取しました。漁連からは、原油価格の高騰が漁業に与える影響は極めて深刻であり、原油価格高騰を抑えるための抜本的施策や燃油購入に際しての直接的な補てん措置の必要性等について要望がなされました。これに対して、派遣委員からは、この問題が緊急に取り組む課題であることは委員全員の共通した認識であること、また、できるだけ多くの漁業関係者が補助制度を利用できるよう運用改善に努めていく旨回答いたしました。
次に、富山市内において財団法人富山県新世紀産業機構を訪問しました。同機構は、富山オリジナルの創薬による新産業の創造を目指した知的クラスター創成事業であるとやま医薬バイオクラスターの中核機関であります。当該クラスター事業における研究開発では、第Ⅰ期事業が終了した本年三月末までに、特許出願百二件、うち二十二件の特許が成立し、その中でも世界に先駆けて開発された細胞チップは、免疫機能を活用した診断、治療システムに画期的な進歩をもたらすものとして期待されております。同チップの事業化を担うために設立されたエスシーワールド株式会社の末岡社長からは、創業に当たっては数多くの困難があったが、資金面では経済産業省が創設したベンチャー企業支援施策を有効に活用することができた旨のお話がありました。
次に、石川県に入りまして、河北郡津幡町の株式会社オハラを視察しました。同社は、元々コンニャクの製造、販売を業としていましたが、売上げの落ちる夏場の収益確保のために始めた地元農産物を使ったプリン等の菓子作りに大手コンビニのサークルKサンクスが協力し、流通規格外となった食材の再生や地産地消の推進を進めているところであります。なお、このような同社の取組は、本年四月に農林水産省及び経済産業省が選定した農商工連携八十八選に選ばれております。同社の小原社長からは、これまでの取組について機知に富んだお話と、農商工連携に必要なことは農産物の生産とその販売を結び付けるアイデアであり、決して大きな設備投資が必要とされるものではないとの貴重な御意見を伺うことができました。
翌四日には、敦賀市にある高速増殖原型炉「もんじゅ」及びその関連施設を視察しました。「もんじゅ」は、我が国のエネルギー安定供給に大きく貢献するとされる高速増殖炉サイクル研究開発の中核であり、地球環境への負荷軽減の観点からも大変重要とされ、早期実用化に向けた取組が世界的にも期待されているところであります。本視察におきましては、一九九五年のナトリウム漏れ事故の詳しい状況や運転再開に向けた安全確保に対する取組等に関し説明を聴取するとともに、ナトリウム燃焼実験、中央制御室、運転訓練用シミュレータ等を実際に視察しました。また、本年三月にはナトリウム漏えい警報の誤発報と地元への通報の遅れという事態が発生しており、その原因や対策についても説明を聴取しました。
私どもとしましては、今回の派遣を通じまして、北陸地域に住む方々のまちづくりや地域活性化に対する活力、熱意を強く感じることができたと同時に、昨今の原油高騰の影響が北陸地域の産業に大変深刻な影響を与えていることを踏まえ、今後も地域経済の活性化を図るために適切な経済産業政策を迅速かつ強力に推進していく必要があることを強く認識した次第であります。
また、「もんじゅ」の再開に向けた関係者のひとしおならぬ努力を拝見し、地域住民の安全を第一に考え、環境に優しいエネルギー施策を推進していく必要性についても強く認識した次第であります。
最後に、今回の派遣に御協力をいただきました富山県、石川県及び福井県の皆様には、御多忙中の中、貴重な時間を割いていただき大変お世話になりました。この機会をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。