三男は、吹奏楽部に所属している。ほとんどの部員たちは、絶対音感があったり、東京にピアノを習いに行っていたり、音楽に関する文化的水準が高いらしい。どうやら、三男とはかなりレベルが違うようだ。



三男は、中1の時にようやく音符が読めるようになった。今も、新しい楽譜を渡されたら、読み込むまでにみんなより長く時間がかかるようだ。(そりゃそうよね)



加えて、恥ずかしながら、私の音楽的文化水準は地を這うレベル。子どものころ、いやいやピアノを習っていたので、かろうじて楽譜は読める程度だ。だから、悲しいことに、コンクールを聞きに行っても、上手だった、としか感想が言えないてへぺろそして、夫も残念なことに私と同レベルだ。



だから、吹奏楽部に入ると聞いたときには、ついていけるのかとっても心配だった。ところが、心配は無用だった。今では、部室を第2の家と呼ぶほどになり、毎日の練習は大変よりも楽しいが勝るらしい。そして何よりも、たくさんの友達ができたことが一番ありがたいことだ。



実は、三男には運動制限がかけられており、運動部に入ることは禁止されている。本当は、彼は体を動かすことが大好きだ。中学生のときは、時間があればいつも、1人でバレーボールの練習をしていた。一度も口に出したことはないが、運動部に入ってみたかったに違いない。



私は、我慢させて申し訳なく思うことが何度もあったけれども、好きなことと自分の居場所をきちんと見つけてくれた三男を頼もしく思う。吹奏楽部の仲間と、すてきな青春を過ごして欲しい。