「N2、合格おめでとう!」
ところが、
その学習者は浮かぬ表情でした。
4月にゼロから日本語を始めて、同年12月の試験に合格!
素晴らしい!
「でもでもセンセー、先輩に言われていたんですよ。
『韓国人なら1年勉強すればN1に合格できる』って。
だから、N2に落ちたらおかしいです…」
私からすれば、一年以内にN2合格は充分すごい!
でも、このような学習者は少なくありません。
周りの誰かが決めたことが目標になってしまう。
それで、実力に対して目標値が勝手に高くなっていることがあります。
私たち教師も『先輩』のように言っていることはないでしょうか。
「(一般的に)このぐらいできて当然だ」
という期待はあると思います。
でもそれは、目の前の学習者の現実と合っているでしょうか。
私の場合は「もう○年勉強してるから、このレベルになっていないと…」という思い込みがありました。
それで「自分の教え方が悪いのか」と悩んだことも。
結局、一般的な上達のペースは目安でしかありません。
学習者にはそれぞれのペースがあり、勉強のしかたがあるのです。
なので、まずは
「それは学習者自身が立てた目標なのか聞くこと」
をお勧めします。
週一くらいで、コミュニケーションの具体的なヒントが届きます