「ぼーっとしていて、何を考えているかわからない子」

子供時代に親や教師からよく言われたものだ。

 

友だちと遊ぶより、本を読む方が好きだった。

遠足や運動会、修学旅行が嫌いだった。

自分の感情を表に出さない子供らしくない子。

 

そんな私が英会話教室に行ったことがきっかけで、異文化への興味から日本語教師になる。

「やってみたい!」という気持ちが強かった。

 

ただ・・・教えるのは好きだけど、人との関わりは苦手。

新しいクラスが始まるときは緊張で睡眠不足。

授業中、予想外の質問をされると頭が真っ白。

学校行事は相変わらず苦手。

同僚との雑談は下手だし、ミーティングや飲み会ではすぐ疲弊。

 

自分には人間関係について何かが欠けているのだろう。

もしくは脳に大きな空洞でもあるのだろうかって思っていた。

 

5年前、コーチングを学んで、自分が内向的なことに気付く。

そのころ同僚がスーザン・ケインがTEDで行った秀逸なプレゼンを紹介してくれた。

そして、「内向型人間の時代」という本との出会い。

 

「そっか、自分は何かが欠けている人間じゃない。

脳に大きな空洞があるわけでもない。

ただ、とても内向的なだけだったんだ。」

 

そう気付いたとき、安堵感と納得感から、すっと気楽になり、人と関わる余裕が生まれた。

今でも人と会うのは少し緊張するけど、会って話すとみんなそれぞれ興味深い。

 

独りが好きだけど、人と気持ちが通じたとき、いい刺激をもらったときが、一番嬉しい瞬間だ。