夫は規模は小さいけれど、自営業で個人事業主。
結婚後に開業しました。
夫が住んでいた昭和の古いマンションに私が引っ越してきて、
開業資金1500万円の借入金から新婚生活スタート。
若かったなぁ~、と言いたいところだけど、
1歳年上の夫とは私が27歳の時から付き合い始め、結婚したのは35歳。
それなりの年齢で負う借入額にしては大きいものでした。
ようやく事業が安定してきたのが、開業して10年後かな。
人手不足やコロナや、色々大変なこともありました。
夫の技術、クリエイティビティ、努力、緻密さ、、。
それらは代わる人がいないので、
夫が働けなくなったら廃業しようと思っていました。
5月14日
夫のもとで新卒から10年働き、夫を父親のように慕い、夫が唯一仕事を任せられた元従業員A君に連絡を取りました。
A君は奥さんの地元で開業しようと2年前に他県に引っ越して開業資金を貯めるために働きながら、開業準備をしているところ。夫とは連絡をちょくちょく取っていたようですが、最近体調が悪化してからは連絡してなかったようでした。
『夫はもう下半身が麻痺して歩行ができないので廃業する予定。
この跡地で独立する気はないよね?』
と聞くと、
『明日、会いに行っていいですか?』
と。
はるばる時間をかけて、翌日夫に会いに来てくれました。
『代わりをやらせてください』と。
その時まだ夫は話をできる状態だったので、感激し、
『治療中の休みの間は頼む。俺らと、A君の家族と。最強の組み合わせだ。若いアイデアと俺の考えと。
すごいことになるぞ。』
と夫は言って喜んでいました。
夫がもう仕事に復帰できないことを知っているA君は涙を流しながら、
『そうですね!そうですね!』と何度も言ってくれました。
そして、翌日勤務先に退職願を出してくれました。