1969年公開のフランス映画『やさしい女』(原題:une femme douce)を鑑賞しました。
半世紀以上も前の作品&世界的文豪巨匠ドストエフスキーの小説を映画化とのことでかなり難易度が高い作品。
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果たして私に鑑賞ができるのかと悩みに悩み何度もあらすじや概要を読んで録画予約をしては「やっぱり無理かも?😟」と録画取り消し。しかしやはりどうしても映画が気になってしまいまた録画予約のループをぶっちゃけ3・4回ほど繰り返しました(苦笑)
ザクッとあらすじ
質屋に嫁いだ若く美しい妻・エルが自ら命を断った。
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まだ出血も渇かぬ妻の遺体を前に夫・リュックは何故妻が自らこの世を去る決断をしたのか理解ができず妻との出逢いから今この瞬間までを家政婦のアンナに話し始める。
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エルは店に通う客の一人でいつも細々とした品を持ち込む女で親戚の家に身を寄せ肩身狭く暮らす苦学生だった。
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ある瞬間エルに心を奪われたリュックは強引にエルに交際を迫りついには結婚にまでこぎつける。
夫婦となった2人。リュックはエルが好む映画や舞台を観に連れていくが表情は固いまま。
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花束を渡しても興味は示さない。
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次第にリュックはエルがいずれ自分のもとを離れていってしまうと不安を覚え始めと同時にエルの浮気を疑い始め外出したエルを尾行するが思い過ごしだった。
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だがリュックの不安は払拭されず少しずつエルを監視し束縛をするようになっていく。
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いつも上目がちで何かを訴えるような反抗的なエルの眼差し。いったいどこで僕たちの夫婦関係はすれ違ってしまったのだろう?エルはリュックを愛していたのか?今となっては聞けやしないが・・・
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オープニング40秒で一瞬にして録画をしてこれは正解だったと思える作品と思いました!
①揺れる椅子に倒れるテーブル。
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③街中の雑踏音に車の急ブレーキ音にざわめく人々の声。
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④そして・・地面に倒れる女の姿。
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決定的なシーンは一切写さずともまるで4コマ漫画のようにエルが投身●殺をはかったことが分かります。これすごすぎません?50年前にこの斬新な演出!!その映像がこちら👇️。このオープニングで即座に映画に入り込んでしまいました。
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監督はロベール・ブレッソン。私は存じ上げなかったのですがシネマ通の間ではとても有名な監督なのですね。頷けます!
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更にブレッソン監督が魅せる映像美が手。
このバスタブのエルの濡れた脚と石鹸を無言で手渡すリュックのシーンも不穏な感じ考察したくなる(笑)
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結局はリュックの一方的な思い過ごしが招いた異常な束縛が原因でエルは心を病んでいき究極の選択をするのですが「あぁ・・ここでエルはそれなりにリュックの愛情に応えているのに気付かない?」と女目線で訴えたくなるシーンがいくつもあるのにリュックが勝手に悪いほうに捉えてしまいエルは鳥籠の中に閉じ込められた閉塞感を持ち始めてしまう。
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それでもリュックから逃げ出せるタイミングはいつでもあったのに離れずずっと妻として居続けてくれたエルは「やさしい女」なのだと観終えた瞬間どんでん返しのように観客は気付きますがリュック本人だけが理解できず美しく若い妻・エルをそっと棺に納めエンドロールに(泣)
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とにかく2人の機械的で淡々とした生活居住空間が鬱蒼とした雰囲気をより高めます。一階の店から三階の寝室へ続く階段の昇降、部屋の扉の開閉、電灯の消灯。異常な几帳面さが滅入りそうになる😅
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私があれだけ予告を躊躇していたのに録画を決意した1つはとにかくレビューがとても高かったからなのです。ドストエフスキーの小説を映画化が一番の決め手ですがその次がレビューがとにかく絶賛の嵐なの(笑)たくさん読んでしまうとネタバレになってしまう恐れがあったのでさら~っと見ただけでも本当に良くて鑑賞後改めてレビューを読み直していたらビックリ💦まさか円盤(ソフト)化💿されていなかったとは!なので今回のBS放送にシネマ通はかなり驚いたみたい!
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貴重な作品だったともありますます鑑賞して本当に良かったと余韻に浸っています。ラストに一瞬微笑むエルが印象的です。
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男性からは「よく分からない🤷♂️」とのレビューも多いですが女性にはエルの気持ちがきっと分かると思う『やさしい女』の予告はこちらから👇️
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家政婦がリュックの話を呆れたように聞いているのがシュールなのも見どころの1つΨ(`∀´)Ψケケケ
映画紹介サイト
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