と……とんでもないフィールドに足を踏み入れてしまった……!!!
これはTwitterではダメだ!!140文字では伝えきれないこの想い……!!!
私は重度のラルクアンシエルファンであり、今まで彼らに限らず様々なバンドのライブ参戦にたくさんの時間とお金、そして愛を注いできたオタクですが、長文で書き留めないと爆発してしまいそうなくらいの衝撃を覚えたのは、人生初のライブ参戦であったGLAYの『10th Anniversary Year Final GLAY DOME TOUR 2005“WHITE ROAD”』とラルクアンシエルライブ初参戦の『15th L'Anniversary Live』以来かもしれません。
その雷に撃たれたような衝撃を受けた公演というのが、まさかの「ミュージカル・テニスの王子様(通称テニミュ)」でした。
おじさんバンドが主戦場の私が、なぜ今更テニミュという樹海に迷い込んでしまったのか、その魅力は何なのか、取り急ぎここに綴らせてください。このままでは仕事もままならない!
まずはじめにテニミュについて簡単な紹介を。
「ミュージカル・テニスの王子様」とは1999年~2008年にかけて週刊少年ジャンプで掲載されていた漫画「テニスの王子様」を舞台化したもので、2003年に初演が行われた歴史あるミュージカルです。今でこそ漫画やアニメを舞台化した所謂「2.5次元ミュージカル」は市民権を得ていますが、当時は前例がなく手探り状態で作りあげていったようで、席も全然埋まらなかったとか。それが、公演ごとに若い女性を中心にファンを獲得していき、今年で観客動員数170万人を超える巨大な市場に成長しました(現在進行形で絶賛新規取り込み中)。
また、テニミュは若手俳優の登竜門とも言われていて、長い歴史の中で数多くの俳優を世に送り出してきました。比較的メジャーな方ですと、城田優さん(2代目手塚国光)、瀬戸康史さん(3代目菊丸英二)、加藤和樹さん(初代跡部景吾)、斉藤工さん(初代忍足侑士)等が挙げられるでしょうか。
このような市場規模の大きい成熟した作品に今更飛び込んでしまったのは経済的に自殺行為としか言いようがありませんが、残念ながらもう手遅れなので、私としてはせめて道連れを増やしたいのです。ですから、私とともに経済的に散ってくれる未来の同志に向けて、自分語りをお送りしますのでしばしお付き合いくださいませ。
私が初めてテニミュを観に行ったのは今年の初めにTDCホールで行われた全国大会の青学VS四天宝寺公演でした。そもそもこの公演に行ったキッカケは大学時代の友達と久々に再会した時に、いつもの流れでイケメンの話になり、その友人が偶然テニミュについて言及したからでした。私自身「テニスの王子様」は連載当時読んでいましたし、イケメンも好きだったので友達とその場のノリで対戦校すらろくに確認せずにチケットを確保し、その一週間後にはTDCホールにいたというわけです。
こんな軽い気持ちでチケットを確保してしまいましたが、もちろんその時のノリがなければ自らテニミュに行ってみようなんて考えは起きなかったと今でも思います。正直、言葉は悪いですが若手俳優の舞台なんてアマチュアの延長くらいにしか思っていませんでしたし、それこそ今までラルクアンシエル等の既にエンターテイメントとして「完成された」公演ばかりに行っていたため、成長途中の人達にわざわざお金を払って観に行く感覚がよくわからなかったのです。私がジャニーズやAKB48関連にあまり興味を持てなかったのもこの考え方が原因だと思われます。特に漫画を舞台化したものなんて、歌もお芝居もダンスもまだまだ発展途上の顔だけ整った若い男の子たちが、それっぽいコスプレをして演じる。しかも人数もたくさんいるから何となくごまかしもききそうじゃない…?
言葉にすると本当にひどいですが、これくらいにしか思っていなかったんです。
しかし、この考えはミュージカルが始まった瞬間に全て消し飛びました。
そこにいたのは、漫画から飛び出してきたキャラクターたち。声や話し方、仕草や立ち振る舞いまで「テニスの王子様」の登場人物そのものだと思いました。
「若手俳優なんて……」と思っていたさっきまでの自分をぶん殴りたいほどに、彼らは本気で、各々のキャラクターととことん向き合い、シンクロしていたのです。
初観劇はキャストの凄まじい熱量とド迫力の演出にただただ圧倒され、終演後はしばらく放心状態でした。最初の印象としては「なななななんかめっちゃ全速力で走り回ってるぞ…?!?!」という感じ。キャストがダーーーーッと舞台に現れては袖に消えていき、消えたと思ったらいつの間にか位置について歌い踊っている。とにかくそのスピード感だけが頭にこびりつきました。一瞬たりとも目を離せないとはまさにこのことだと。よそ見をしていたらあっという間に置いていかれてしまいます。
「アマチュアの延長だから云々…」なんてほざいた自分はどこへやら、見終わった直後には大千秋楽のライブビューイングのチケットを購入し、一週間後は映画館で古参のお姉さま方に混じって鼻息を荒くしておりました。
その後行われた全国大会決勝、青学VS立海公演ではバンギャの血が騒いでトチ狂ったようにチケットを奪取し、経済的に入水自殺を図ったわけですが、ここでぜひ、道連れを増やすべくバンドオタクが感じたテニミュの魅力を挙げさせてください。
其の一 フレッシュなイケメンを贅沢に起用
テニミュと言えば、何と言ってもイケメンの贅沢使いがたまりません。舞台上には常に20~30人の若きイケメン達がひしめき合っています。初観劇時は情報が原作しかないですから、原作で自分が好きなキャラにどうしても注目しがちですが、だんだん「あれ、手塚役の人かっこよくない?」「あれ、不二役も歌上手いし気になるかも……」とキャラからキャストに関心が移っていくので、自然と沼の奥深くへと沈んでいきます。
なので、逆に原作では何とも思わなかった、またはあまり好きでなかったキャラがキャストを通して大好きになってしまうなんてこともあるわけです。
また、テニミュでは主役校である青学の他にも多くの学校が登場するので、「私は氷帝推し!」とか「立海を全力で応援!」とかキャラやキャストの推しに加えて学校単位での推しも発見することができます。学校推しができるのはスポーツモノならではですね。それぞれの学校にはチームカラーや属性があり、後述しますが楽曲やダンスもそういった特徴を押さえてしっかりと色分けされているので必ず自分の好きな学校が見つかるはずです。
其の二 演出がナナメ上
そもそも、原作であるテニスの王子様は主人公の越前リョーマ擁する青春学園テニス部が全国の猛者と死闘を繰り広げながら全国大会優勝を目指す非常にシンプルな物語ですが、テニミュではテニスをしているのに基本的にテニスボールが登場しません。キャストがネットを挟んでラケットを振りつつ、照明や映像でボールの軌道を表現して試合を演出します。こう文字にしてしまうと大変シュールな光景ですが、これがすごいんです。例えば越前リョーマと大阪四天宝寺中のルーキー遠山金太郎が一球勝負をするシーン。こんなえらいことになってます。
テニミュ2nd青学vs四天宝寺「コイツを倒したい!2013」より(1分50秒を過ぎたあたりからまさかの演出)
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwワイヤーアクションwwwwwwお前らテニスしろwwwwwwwwwww
「こんなの2次元でしか表現できないだろ」っていう原作者許斐剛先生の描写をびっくりするような演出、迫力で見せつけてくるので、あっという間にテニミュの世界観に引き込まれてしまいます。
其の三 楽曲・ダンスが秀逸
テニミュはただテニスの試合をするわけではなく、ミュージカルなので歌も踊りもあります。ラリーをしながら皆歌い踊るのです。これがまた良曲が多くダンスもかっこいい。
そしてそれぞれの学校のイメージと曲調が何ともマッチしていて、推し作りに拍車がかかります。
ちなみに私は立海曲が大好きです。絶対王者、常勝、神の子等の特徴をこれでもかと取り込んだ終末感、黒ミサ感がバンギャにはたまらんのでオススメです。ぜひご視聴あれ。
テニミュ1st全国大会決勝青学vs立海「神の子~DEAD END」
テニミュ1st全国大会決勝青学vs立海「幸村のテニス」
其の四 青春体感
テニミュ沼に引きずりこまれる最大の要因はこれだと私は勝手に思っています。テニプリの登場人物は中学生で、彼らは皆驚くほどテニスに青春を捧げています。「テニスは人生」と言えちゃうくらい、それくらい自分の全てを捧げている少年達が、四六時中テニスのことを考え、向き合い、弛まぬ努力と仲間との強い絆で頂点を目指す。非常に週刊少年ジャンプ的ですね。私達大人がどんなに望んでももう決して味わうことのできない青春を、一瞬の輝きを、テニミュは魅せてくれるのです。
…あれです、GLAYの『とまどい』を聴いたときに感じる、あの胸がキューーーッと締め付けられる感覚と似ているなぁと。
そして、これは自分が好きなバンドとも共通するところですが、舞台上に女性が登場しないこともまた、彼らへの憧れを強くします。男の子だけの結束、私達が決してその輪に入ることができない聖域。だからこそより彼らがキラキラして見えるし、この空間を、彼らの期限付きの生き様を少しでも長く目に焼き付けておきたいと思ってしまうのかもしれません。
其の五 卒業システム
突然ですが、国民的アイドルのAKB48やその他流行の女性アイドルグループ。彼女達には必ず卒業というものがやってきます。私はこのシステムについてずっと疑問に思っていることがありました。「自分の推しメンが卒業しても、その後もそのアイドルグループのファンでい続けることができるのだろうか?」要は○○グループという枠組みだけ残って、中身はどんどん入れ替わっていくということですよね?
バンドにも卒業こそないものの、脱退は存在します。が、私は自分が本当に好きなバンドであれば、誰か脱退してしまうくらいならいっそ解散して欲しい、そう思っています。だから、推しメンを送り出した後も新たな推しメンを見つけてそのグループを応援し続けるという感覚がよくわかりませんでした。
テニミュにもアイドルと同じく卒業システムがあります。テニミュでは何年もかけて青学が地区予選から都大会、そして全国大会優勝を達成するという道筋を描いているのですが、その間同じキャストがずっと務めるわけではなく、定期的に入れ替えを行っています。つまり、皆ゆくゆくは卒業していくのです。辛くはないのでしょうか。
しかし、テニミュを何度か観劇し、2ndシーズンの最後を見届けて気づきました。
卒業は終わりではなくはじまりであるということ。
序盤でも触れましたが、テニミュは若手俳優の登竜門であり、彼らにとっては俳優人生のスタート地点です。夢に向かって羽ばたく彼らを送り出すことは、辛いけれどすごく嬉しいし、感慨深いものなんだと。
彼らの新たな門出を、この空間に居れば何度も祝うことができるんだと。そう思ったら、キャラクターと同じようにキャスト自身もまた、期限付きの青春を全力で生きてるんだと気づいて、尊い気持ちでいっぱいになるのです。
其の六 日替わりアレンジ
バンドでツアーを行うとき、通常各公演でセットリストを若干いじったり、MCを変えたりします。その「一度たりとも同じ公演はないんだ!!」という貴重さがオタク活動に拍車をかけるわけですが、テニミュももれなく日替わりがついてきます。
まず、テニミュは公演直前直後にキャストによるアナウンスがあるのですが、その担当は毎公演違いますし、内容も様々です。また、本編も基本的には台本通りに進むのですが、本筋から離れない程度にキャストそれぞれが台詞を変えたり自由に話ができる枠が設けられていたりします。この日替わりのせいで何公演も足を運んだり、留守番組の時でもレポを読み漁る日々が続くわけです。何という恐ろしいシステム……
それと関連してですが、テニミュは試合をしている人達以外は皆ベンチでわちゃわちゃしています。これがまたえらいこっちゃでして、試合にだけ集中していればストーリー自体は全然把握できるのですが、実はベンチにいる他のキャスト達が日によっていろんな小ネタを仕込んでくるのです。このガヤ枠こそテニミュの世界観を作り上げている大切なポジションでして、つまるところガヤ枠が次々に繰り出す小ネタを追うためには複数回通わないとダメなんです。だって目は2つしかないのですから。誠に遺憾ですね。
……このように、圧倒的ご新規の私でもこれだけ発見があるテニミュ、通いつめて推しキャストでも見つけようものならもう泥沼一直線です。
とりあえず軽い気持ちで一公演行ってみてください。原作がわからなくても、キャラを把握していなくても、俳優を誰一人知らなくても、そんなことは関係なしに楽しめます。細かい情報なんて後でいくらでも吸収できますしね。まずは観劇して、テニミュの世界観、熱量、青春を体感してください!そして共に汗水垂らして働いた金をテニミュに投資し、日本経済を回していきましょう!
ご覧いただきありがとうございました。
