色付いた  街の街路樹


黄色い   イチョウの葉


幸運へと続く 道しるべ



頭に落ちた  雨粒に気づき


空を見上げると   虹がかかっていて


嬉しくなって   


誰もいない右隣りに  思いを馳せた



二人でいるのにも  理由があるなら


一人でいるのにも  訳があるものと


充分に分かって   小さな影を踏む



何気のない   些細な幸せに


屈託のない  あの頃を重ねて



懐かしくなる   切なくなる


どうしようもない気持ち


 何も伝わらないようで


本当は   空で繋がっている



そんな他愛ないこと   考えた帰途


部屋の鍵を開け   右奥の引き出し


そっと手を伸ばす



こぼれ落ちた  数枚の手紙


あなたの文字   


なぞるように  宛名を綴る




もうすぐ会える  そんな予感



きっともうすぐ心が



スマホが震える   そんな憶測