夢の中であった君
――――夢を見た。
私は“昔の西洋風”といった感じの街に住んでいて、幸でも不幸でもない少女だった。
私は町をさまよっていた。
ふと見ると、大きな川に頼りないつり橋がかかっていた。
私はそれを渡った。
今にも落ちそうな、そのつり橋を。
川の向こうの街へ行くために。
幸でも不幸でもない私は、川向こうへ『幸』を探しにいきたかったのかもしれない。
川向こうにあるという確信など、どこにもないのに。
長い長いつり橋を、私はゆっくりゆっくりと進んでいった。
何も考えず、・・・・いや、何も考えられないまま。
ふと橋の下を見た。
何十メートルもあろうかというほど大きい、七色に光る魚が一匹泳いでいた。
その周りには数メートルの色とりどりの魚たち・・・・
私はなぜか、むしょうに幸せな気持ちになった。
心が、温かくなる感じがした。
魚に見とれながらそう思った瞬間、そのつり橋が壊れ、私は川の中へ落ちた。
目を開けると、目の前にはあの魚がいた。
私は泣けた。
愛されている、守られているという感じがした。
ずっとこの魚と一緒にいたい。そう思った。
そこで目が覚めた。
心がまだあの魚の傍にあるように、暖かく感じた。
他人に話したら笑われてしまうのではないかと思った。
私は気付いた。
“幸でも不幸でもない”のは、自分が気付こうとしなかったからなんだ。
いつでも私の周りには、たくさんの幸せも不幸せもあたのだ。
無くなる事に怯えて、見えないふりをしていただけだったのだ。
それに気付いた時、頭の中で
『がんばって』
と、あの魚が言ってくれたようなきがしたんだ。
私は一生この夢を忘れない。否、忘れられないだろう。
もう一度、あの魚に会うために・・・・
END
言葉に出来ない
言葉に出来ない何かがありました
言葉にしても足りない 何かが
心の中の 小さなわだかまりになり
涙となってあふれてくるのです
伝えられない
誰にもわかってもらえない
言葉がどれだけ大切か
今になってわかった
でも言葉はあふれるばかりで
伝えようとすると
するりと
私の手から流れ落ちてゆく
例えば水のように
飲み込んでしまえるものならば
こんなにも苦しまなかったかもしれない
