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耳下腺腫瘍のあとさき

のんびり観劇を楽しんでいた私が思いもかけなかった
「耳下腺腫瘍」を患ってから始めたブログです。
完治のご報告をもって終了するのが目標です。

術後5ヶ月が過ぎた。

普通の毎日をおくらせて頂いていることに感謝している。
身体的変化がないということはブログ更新も減っていく。
節分に奈良に旅行したり、家族構成に変化があったりはしているが
そういうことは今までも書いていなかった。

現在の体調にあまり変化はない。
傷には相変わらず「マイクロポアテープ」を貼っている。
傷跡を目立たなくするためには
6か月くらいは貼ったほうが良いということだった。

下唇のマヒはかなり良くなった。
あと一息だと思う。
首の痛みも薄皮を剥ぐように減ってきている。
突っ張り感はまだまだかなりあるけれど
ウオーキング時に務めて首や腕を動かして
可動域を広げるようにしている。

今の悩みは季節的なこともあるのだろうが「ドライマウス」だ。
今まで経験したことがないくらい口や喉が渇く。
ビワ茶、緑茶などは欠かせない。
こんなに渇くのはやはり耳下腺全摘が関係あるとしか思えない。
前主治医にも聞いたのだが睡液腺は他にもあるので
大丈夫ということだったが…。

唾液が減ったことが関係しているのか治療してある
奥歯ブリッジが痛み、中が虫歯になっていて通院中。
点検やしっかり歯磨きしているつもりだったが
口内環境が変わったからかなぁ。

以前TVで「ドライマウス」の特集があった時、歌を歌うことが
改善につながると覚えていたのだがそこまで歌えない。
せっせとお茶類で渇きをいやしているが
乾燥している季節だから半分諦めの心境だ。

マグボトルのフル回転で乗り切るしかない。




新年になり初めてのエコー検査。

病院はものすごく混んでいて病人の波が押し寄せている様。
エコー検査は予約なので15分程度しか待たなかったが
30分以上待ちの掲示が出ていた。
表在エコー検査は首の両側と耳周りですぐ終了。

耳鼻科待合にいくと座るところがないくらいの混雑。
サテライト受付をしポケベルを受け取って番号掲示板を見ると
まだちょっとやそっとではない番号がでていた。
しばらくいたが諦めて本屋さんに。

見繕っていたが食指の動くものがなかったので
病院内のライブラリーでパラパラと読書。
小一時間してもポケベルは微動だにしない。
耳鼻科待合番号掲示を確かめにいくとお昼を済ませたほうが
良い感じなので外のおそばやさんで天ぷらそばをいただきました。
戻ってみると担当医師には120分待ち掲示が出ていたのでうんざり。

ようやくポケベルが鳴り中待合へ。
しばらくして名前を呼ばれたのでノックしてドアを開けた。
すると一人のご婦人が私を押しのけて中に入り
「○○ですがまだですか?」と大きな声を投げかける。
「お名前を呼ばれるまでお待ちください」と言われて
すごすごと退出していった。

S医師「いろいろな方がいらしゃるのですみませんでした。
大変お待たせして申し訳ありませんでした。」
私「長い待ち時間なのでお気持ちはわかります。」
S医師触診しながら「エコー検査では再発などの異常は
みられませんでした、傷の具合はまだ違和感ありますか?」
私「縫ったところが硬くつっていて痛くいつもほどいてほしいと
思っているくらいです、肩こりもかなりあります。」

S医師「内部を縫った糸はもう溶けています、
硬い傷のところは首の運動を心掛けてください、
痛いと言って動かさないほうがよくありません。」
こんな感じと首を左右上下に動かして見せる。
私「わかりました、頑張って運動します。」
その後3か月の予約と肺CT検査のお話で終了。
結局予約時間より2時間45分後の診察だった。


せっかちな私には待ちは苦行だが異常無しがそれを吹き飛ばす。







もう10年近くなる、その人のブログに出会って。

母が乳がんを患ってからいろいろなネット検索で知った。
年齢は私よりお若かったけれど
惹きつけられる文章や内容に密かにお邪魔していた。
がん闘病は治療する医師だけではなく
患者自らも勉強、参加し選択しなくてはならないことを学んだ。

決して押し付けがましくはなくいつもさり気ない感じで
逃げ道も用意されていたように思う。
後にに続く患者さんのためにという
思いや気配りが行間からにじみ出ていて
彼女の知性と理性、人生の豊かさが窺い知れた。
悩める孤独ながん患者さんの道標の一つであったのではないか。

最近の様子は少し読むのが辛くなる内容の病状だった。
冷静に記してはいたが随分身体がきつかったと思う。
そんななかでも終末期医療の考察を
情報発信されている気力は尊敬に値した。
人生の終わりを見据えて幕引きの準備はキチンとされていた様子。
流行り言葉ではない「終活」の様を見ているようだった。

新しい年を迎えて間もなく彼女が旅立ったのを知った。
一面識もない方なのに涙が止まらなかった。
もう更新されないがメッセージは心に残っている。
今までのありがとうを伝える術はないけれど
あなたの生きた証を心に残しておこう。


生きることも死ぬこともどこまでも自分らしくいけたらいい。