もう10年近くなる、その人のブログに出会って。
母が乳がんを患ってからいろいろなネット検索で知った。
年齢は私よりお若かったけれど
惹きつけられる文章や内容に密かにお邪魔していた。
がん闘病は治療する医師だけではなく
患者自らも勉強、参加し選択しなくてはならないことを学んだ。
決して押し付けがましくはなくいつもさり気ない感じで
逃げ道も用意されていたように思う。
後にに続く患者さんのためにという
思いや気配りが行間からにじみ出ていて
彼女の知性と理性、人生の豊かさが窺い知れた。
悩める孤独ながん患者さんの道標の一つであったのではないか。
最近の様子は少し読むのが辛くなる内容の病状だった。
冷静に記してはいたが随分身体がきつかったと思う。
そんななかでも終末期医療の考察を
情報発信されている気力は尊敬に値した。
人生の終わりを見据えて幕引きの準備はキチンとされていた様子。
流行り言葉ではない「終活」の様を見ているようだった。
新しい年を迎えて間もなく彼女が旅立ったのを知った。
一面識もない方なのに涙が止まらなかった。
もう更新されないがメッセージは心に残っている。
今までのありがとうを伝える術はないけれど
あなたの生きた証を心に残しておこう。
生きることも死ぬこともどこまでも自分らしくいけたらいい。