ちょうど
ゲームをきっかけに
警察が夜中に我が家にやってくる事件の少し前

グループチャットで愚痴る私を心配したギルドマスターのアケミさんと連絡先の交換をします。

アケミさんは
いつも優しく私の話を聞いてくれ
いつも心配してくれていました。

「むぅちゃん。もし誰かとご飯に行こうってなった時にさ……」

「これが食べたい!って言う人となんでもいいよって言う人とどっちが一緒にご飯食べて楽しいかな」

「むぅちゃんもっと自分の意見言った方がいいよ」

そんなようなことをアケミさんはよく話してくれました。

今思えば

アケミさんはきっと私に

「自分の意見をしっかり持ちなさい」と教えてくれたんだと思います。

私は確かに
モラくんが言う食べたいもの
行きたい場所
みたい映画

それらに付き合うことがあっても

私自身が
行きたい場所
食べたいもの
みたい映画を伝えることはしませんでした。

それを伝えてもモラくんは全てに対して

「俺はそれ興味無い」

だったので

もう言うのを諦めていました。

その何かをしたい欲求は叶わない事柄であると私の中に認識されていて

それをすることを辞めてしまう。

それに対して不思議にも思わなくなっていってしまう。


私はこの話の中でも何度か書いてますが


私自身が
もう既に私が何者なのか
私という人間はどんな人なのか

全く分からなくなっているんです。
そして何か希望を人に伝えることは
してはいけないことのようになっているのです。

怒られるから
間違っていると否定されるから

それなら私は何色にも染るカメレオンのように生きていればいい。

「むぅ美」
という人間はきっと存在していない。